翌朝、朝食の後に再びロビーに集められた。楽しみな様な、不安な様な…何とも言えない緊張感。

「はぁ~…いっそ誰か撃てとかの方がよっぽど楽。」
「それが楽なのは君だけだと思うよ。スナイパー。」

実際問題昨日みたいな恐い目には遭いたくない、そして出来れば得意分野が良い!そんな祈りを捧げてみた時鐘の音が鳴り響いた。

「カカカカカカ!!おはよーございまーす!!ちゃんと寝たか?!誰かさんみたいに徹夜
 したりさせたりしてねぇか?!」
「…っ!」
「何故顔を赤らめる。」
「ち、違います!」
「昨日はごくろーさん!何故か痴漢行為を働いた野郎がMVP!世の中判らねぇな!」
「さっさとルール説明しろ。」
「シャラップ!俺に命令すんじゃねぇ!まぁ良い!今回の課題は~…視聴者からの
 意見を参考にこいつだっ!」


『姫抱っこでほっぺにチュー♪』


暫く全員が固まった。脳内で『ポクポクポク・チーン』って効果音が鳴ってた気がする。

「テンション低いぞー?」
「…いや…マジで理解不能…。」
「見たまんまじゃねぇか!2人1組で1人が抱っこ、もう一人がほっぺにチュー
 …単純明快だろうが!あ、因みに一度クリアした奴に頼む事は出来ないからな?」
「でもジャンケンかなんかで決めれば普通に…。」

確かに4:4だから乱暴な話アミダか何かで…。

「ん?チコリ、姫抱っこって何だ?」
「ラビットってばもう忘れたの?ほら、昨日帽子屋さんがやってたじゃない、
 こう言う抱っこよ。よいしょッ!」
「おぉ!チコリは力持ちだな!成程、これでチューか!…ちゅー…。」
「やーだ!くすぐったいって!」

ほのぼのとしたやり取りに和んでいると、意外な言葉が耳に飛び込んだ。

「2名クリア。」
「…え…?」
「カカカカカカカ!!チコリ様ー!ラビット様ー!課題クリアでございまーす!
 残り6名!張ーり切って行こー!」

アナウンスが切れると同時に玄関に猛ダッシュする2人が見えた。

「…あれ?」
「…男が余るな。」
「妥協すれば男同士ですね。」
「野郎を抱き上げろと…?」
「「「「…………………………………………………。」」」」
「待ちやがれ――――!!!」
「命懸けで捕まえろ―――!!」
「不本意ですが私も追います。」
「MC死ね!バーカバーカ!」

今日も全力疾走なのかな…?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-36.猫柳-

やっちまったな。

閲覧数:203

投稿日:2010/07/31 16:44:07

文字数:981文字

カテゴリ:小説

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