真っ赤なリボン 結んで開いて
辿るは幼子の記憶

縫い目 ほころび 微かにほつれた
端っこ ほつれて 残した糸はあといくつ


幼い私に 母さんくれた
絹糸リボン 白檀が香る

流れた 髪の音 脳裏に残った
零した なみだ 母さんはどこ


幼子記憶は揺らめいて 朧な憧憬 小指に消えた
鬼百合陽炎 夜空に舞って 懐かし匂い 風鈴と消えた


夕暮手招く路地の裏 尾曲がり黒猫去って行った
痩せた私の影が追う

そっちへ逝っては逝けないと 遠くで夜の声がした


真っ赤な御守り 揺れては止まる
育つは私と夢現

鈴の音 かさねて 紐とく記憶
編紐 千切れて 途切れた夢の蝉時雨

ひ弱い私に 父さんくれた
小鈴の守り チリリと鳴った

遥かな 刻の音 鳥居のお社
迷子の 私 父さんはどこ


萌黄記憶は華やいで 漂う夢幻 瞼に消えた
梔子雨垂れ 軒先に跳ね 拙い呼び声 金魚と消えた



夕暮手招く路地の裏 尾曲がり黒猫去って行った
痩せた私の影が追う

こっちへおいで 逝きましょう 遠くで夜の声がした

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

幼神

神隠しに遭い、いつしか神様に為ってしまった幼子が、
ただの子供だった頃を思い出して。

そんなイメージで書きました。
和風ロックな感じで単語の響きを楽しんでいただければ幸い。

閲覧数:125

投稿日:2012/05/11 00:01:32

文字数:455文字

カテゴリ:歌詞

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