薄縹

笹鳴いて日が落ちました
緩凛とした背伸び猫の様な
携えた一日の欠片を
石蕗の葉に流すよ
飽く無き雫です

寄り添って小波めく
網状脈の檻で
舞しきる茶蓑蛾
身削ぐ日月

困惑と望蜀が
茜ざした網膜を
落とし込んだ瞬き
冷笑う膝頭

身動いだ蒼筋飛蝗
ペディキュアの剥離と夕焼けサンバ
七星の黄昏れる根城は
山の端に霞んで
木枯れてゆくのです

饑さが沸き立つポット
ゴアビートする湯気の先に映えた
初霜の降り際に零れる
狐火の撹乱を
手櫛で梳くのです

掻き散った幼毛が
綯い交ざる木藍の
青錆びた硝煙と
微睡み虚ろう

瞑目し糾う
清宵な永夜です
聳り立った麦の芽
音無き灯が落ちました

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【結月ゆかり】薄縹【オリジナル】

lyrics : Meggy Chang
music & tracks : Kei Shibasaki

閲覧数:252

投稿日:2022/08/20 08:01:04

文字数:298文字

カテゴリ:歌詞

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