うーん、と声を上げながら、リンは伸びをした。
講義が終わったのだ。
「さて、かえってテレビでも見るか」
と、言う状況だ。特に気にする課題もないし…。
「りーんーたんっ」
声をかけてきたのは、ミクだった。
「何か用? あとたんって何」
「えへへー。リンたん、ちょっとついてきてほしいところがあるんだけど」
「ついてきてほしいところ? どこ、それ? あとたんってなに」
終始にまにまと笑ったままのミクに手を引っ張られて、リンは学校を出た。あわててかばんをつかんだため、携帯電話とペンケースを落としそうになってしまった。
「ちょっと、どこいくの?」
「いいから、リンたんはついてくればいいんだよ!」
「だから、本当にたんって何なの」
あぁ、レンもこうやって、レンきゅんと呼ばれるようになったのか、と、リンは勝手に納得してしまった…。
リンがミクに引っ張られてたどり着いたのは、小さな高層マンションの一室で、ミクはインターフォンに手を伸ばそうともせず、ドアを開いて、ずかずかと中には言っていった。表札がかかっていなかったので、ミクの家かもしれない。一人暮らしなら、わざわざ表札をかけるような出費は避けるだろう。
しかし、そんなリンの推理はものの見事に外れた。リビングと見える部屋に入ってみると、そこには、レン、ルカ、カイトの三人がそろっていたのである。
「やあ」
「遅かったね、ミク」
「こんばんは、リンさん」
各々、思い思いの反応を見せた。
その中心にリンは無理やり座らされ、ものすごく気まずい空気になった。そりゃあ、そうだろう。何せ、リンはなぜここにつれてこられたのかもわかっていないというのに、輪の真ん中に座らせられても、困る以外に一体どうしたらいいというのだろう。
「あの…、なんですか。集団リンチですか」
「そういうわけじゃないんだけど…」
戸惑いながら会とが言うと、それをひじでつついて、レンが、
「バカイト、さっさと説明しなよ」
「え、ちょ、俺任せなの」
「じゃあ私が言います。私たちと仲間になりましょう、リンさん?」
責任転嫁の末、ルカが言った。なんで四人中二人が男なのに、結局女にやらせているんだ、へたれ共め。一番男前なのは、ルカではないか。
「仲間?」
「ええ、私たち、ここでバンドを組んでいるんです。それで、ギターが足りなくて。お姉さまから、リンさんはギターが弾ける、と聞いたもので」
「お姉さま…ああ、メイコ姉ね。うん、弾けるよ。簡単な曲ならね」
一同の表情が一気に明るくなった。
「でも、バンドかぁ…。難しそうだし…」
一同の表情が一度に暗くなった。わかりやすい奴らだ。
「大丈夫です。皆で助け合いますから。お願いします」
「えー、うん、いいよ。でも、ギター、最近手入れしてないから、使えないかも」
「家に帰って、みてみてください。駄目だったら、明日、検討しましょう」
「はーい」
リンを含め、カイト、レン、ミクの四人が言った。
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