無くなるはずないと信じていた
慢心と夕暮れ 秋の通りに
忘れたはずの時 彼と彼女の細やかな日々 息を瀬に
遠く霞む景色 彼女は今 破れた夢を手にバスを待っている
自分と彼の指 「温かいね」と呟く声は届かなかった
「何もかもを捨てて ここへ来たの」
満身創痍だが 顔は晴れて
「悲しいくらい好き それだけなんだ 僕に残った夢の果て」
「終わりが来るなんて この時まで思いもしなかった バカみたいだ」
自嘲する彼女の頰を伝った涙のかけら 騒音
週末のバス停 確かな居場所たち
風の歌が聴こえる黄昏に
片隅を背負った二人の音がまさに
寄り添うように流れる時の中
「貴方が負ける訳ないよ こんなのは間違ってる」
「僕らはこうして立ってるよ まだ」
痛いくらいの静寂さえ 愛おし過ぎたらしいと
終末を征くバスを待つ二人だ
悲しみの言葉と 無機質な騒音
二人 目の前にはもう バスがある
「こんなに苦しいなんて思わなかった」
彼女の言葉にただ 微笑んでいた
「貴女が負ける訳ないよ この先も大丈夫だ」
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