「………ねぇ?………きて………」
誰かの声が聞こえる
「ねぇ!起きて!」
誰かが俺を呼んでいるようだ、身体を揺さぶられ俺はゆっくりと目を開けた。
「うぅ…だ、誰…?」
「あぁ、良かった無事だったのね」
「あぁ、ありがとう。ところで君は誰なんだい?」
「ゴメンなさい、私はミク…初音ミクよ。貴方は?」
「俺は…えっと……っ?」
おかしい、自分の名前が解らない。
名前はおろか、自分が何で寝ていたのかも解らない…
記憶が…飛んでる…?
「どうかしたの?」
「いや、何でもない…ところで俺は何でこんな所で寝ていたんだ?」
「解らないわ、でも凄い傷で…」
「これは…ミクちゃんが治してくれたのか?」
「えへへ、ミクで良いよ。うん、凄い傷だったから放って置けなかったから…応急処置ぐらいしか出来てないけど」
「ありがとう、じゃあな」
俺は、ミクをに手を振り、よろよろと歩きだした。
ミクの言ってた通り、凄い傷だったらしい、体中が痛い…
「痛っ…」
「ちょっ……大丈夫?あんまり無理しない方が良いよ?ひどいケガなんだから」
「あぁ、そうみたいだな、ミクだったっけ?この近くに休める所はないか?」
「少し遠いけど私の家が1番近いと思う、良かったら私の家に来る?」
「あぁ、すまないな…どうやら足がイかれてるみたいだ、良かったら肩を貸してくれないか?」
クは言葉を出さずに少し心配そうな顔で頷いた。
「すまないな…」
「良いよ、ところで貴方はどうしてあんな所に居たの?」
「…………」
沈黙が続く、正直にミクに話しても良いが、胸騒ぎがする。
だが、俺は胸騒ぎなんて気にせず、ミクになら大丈夫だと思って、記憶が無いことを告げた。
「ミク、俺はどうやら記憶が無いみたいなんだ、自分が何者かもどうしてあそこに居たのかも解らないんだ、正直自分でも驚いてるよ。全く困ったもんだ」
そう話すとミクは困った顔で、少し俺を見た後また前を見て口を開いた。
「ねぇ?名前が無いんじゃ不便でしょ?私がつけてあげる」
「はぁ!?」
「カイト…」
「ん?」
「カイトなんてどう?今の貴方にピッタリじゃない?」
「カイトか…」
不思議と嫌な感じはしない、何を思ってカイトなのかは解らないが、何故かその名前に心地良さを感じたので、俺はカイトという名前を受け入れた。
「ところで、その剣カッコいいよね、よかったら見せてくれる?」
「剣…?俺は剣が使えたのか?剣があるって事は何かと戦っていたのかな?」
「あぁ、そう言えば記憶がなかったんだよね、ごめんね。」
「良いよ、気にするな、この剣…持ってみるか?」
俺は無造作に剣をミクの足元に投げて目で合図した。
「…重っ!全然上がらないよ…はぁ~駄目だ腰が砕けそう…」
「ハハハ。腰が砕ける前止めとけよ」
「そうだよね、私には無理みたいだよ」
そう言ってミクは剣を重そうに俺に渡してきてくれた。
「しかし、ずいぶん歩いたよな?まだなのか?」
「ほら、もう見えてるよ」
「あぁ、あの小屋みたいな家か」
「小屋で悪かったわね、私の家は貧乏だから…」
ミクは悲しそうに下を向いて黙った、ちょっとマズイ事を聞いてしまったようだ。俺は話を変えようと必死で話題を変える。
「なぁ?両親は?」
「……………」
沈黙がさらに続く、ヤバイ事をさらに聞いてしまったようだ…。しばらく沈黙が続く中、ミクが顔を上げて申し訳なさそうに答えた。
「あぁ、べ、別に良いのよ、私の両親は少し前にある事件で亡くなって…だから私は一人で働いているの」
「そう…なんか悪い事聞いてすまなかったな。今働いてるって言ったけど仕事してるのか?」
「うん、まぁね。町の酒場で歌わせてもらってるの、これでも歌には自信あるのよ?」
「へぇ、それは是非とも聞いてみたいな」
「いつかね…」
「約束だぞ」
「解ったわ。さぁ着いたよ、狭いけど上がって」
「ふう。疲れたな、あれ?さっきまでの傷がもう治ってる?ミク応急処置だけしたんだよな?」
「えぇ、私がたまたま持ってた救急セットで治したからそんなに本格的な事はできてないよ?どうかしたの?」
「いや、さっきのケガがもう治ってるんだ。足だってほら、この通りだぜ!」
カイトは自分のケガが治った事を証明すためにとび跳ねたり足を伸ばした。
「嘘?ホントだ…。あんなにひどいケガだったのにもう治ってる?カイト貴方本当に何者なの?普通の人じゃありえないわよ」
「そうなのか?よくわかんねぇや。ミク、腹が減ったなんか作ってくれ」
「どうしよう。あんまり買い置きしてないからそんなに良い物は作れないわよ?文句言わないでよね」カイトが頷くとミクは台所に向かった。ミクがご飯の支度をしているときにカイトのいびきが聞こえてきた。
「グゴォーーー」
「寝るの早っ!しょうがないなぁ…」
ミクがカイトに布団を被せ、カイトが寝ている間にご飯の支度するミク。
カイトを起こそうとした時に急に勢いよく、家の扉が開いた。
「誰っ?」
【序章~旅の始まり~】失われし世界と運命の歌姫~Diva of Destiny and The Lost World~
キャラ紹介でもしときます。
その前に、この作品はキャラ設定等は作者の好みで作っております。
キャラの性格等、全然違う等といった苦情は受け付けておりません。
カイト(19歳)…本作品の主人公経歴等全てが不明で記憶がなく、行き倒れていた所を町に行く途中のミクに発見される。
記憶が無いため名前も解らないので、ミクがカイトと命名。
装備は剣、最初から持っていたので剣の扱いには慣れてる様子。
戦闘力もぴか一。
初音ミク(18歳)…とある事件で両親を無くし、町にある酒場で歌ってはかろうじて生計を立ててる。
駆け出しの歌い手。
一人で生活をしてた為、護身用に短剣を太もものベルトにさしている。
割と身軽で、足も早く短剣との相性が抜群。
ちなみに短剣の二刀流である。
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