#39「しるるとテト」



前回のあらすじ

彼らは……私に【さよなら】と言った……








「…………ト………テ………テト…………テトってば!!」


私は誰かに呼ばれて、上体をばっと起こす


「もう……なんでこんなところで寝てるの?」

「し……しるる?」


私の目の前にはしるるがいた


「え、あ、そ、そうだ!!」


私は彼らのことを思いだし、辺りを見回す

けれど、自分としるる以外は、そこにいない

時計を見ると深夜3時を過ぎていた


「ごめんねー。ちょーっと友達と一緒に遊んでたら、こんな時間になっちゃった」


えへへと笑うしるる

しかし、今の私には、それよりも気になる事がある


「あ、あのさ、しるる……」

「んー?」


しるるがコンタクトをはずしながら、私の言葉を片手間できく


「しるるの作品の失敗したやつって……どうしてる?」

「え?なに?急に?えっと……一応、大事に保管してるよ?他の作品つくるときに役立つかもしれないし。なんで?」


しるるにそうきかれ、私はさっきまでのが現実なのか、夢なのか、わからないので、誤魔化しながら話す


「も、もしもだよ……もし、その失敗作の中の人たちがしるるに会いに来たらどうする?」

「は?なにそれ?あ、でも、それ、いいアイデアかも!」


そういって、笑っているしるる……本当に夢だったのだろうか……

あたりを見渡すと、カイトさんが、メイコさんに殴られて凹んだ壁や、黄色い二人が暴れていた段ボールなんかは、どこにも見当たらない

現実という自信がなくなってきた私


「ルコたちは?」


しるるにそうきかれ、知らないと答える


「あ、そっか!今日、友達の家に泊まるって言ってなかったっけ?」


あ?……そういわれると、昨日そんなことを言っていたような気も……



「にしても、テトがリビングで寝ちゃうなんて、意外だね?私はしょっちゅうだけど」


しるるのたわいもない話を聞きながら、私は夢だったのかと、まだ考えていた






こつっ……

いままで気づかなかったけど、私の手に何かあたった


「あっ!!」


私の大声に、しるるはどうしたのーと聞いてきたけど、なんでもないと答えた


私の手に当たったそれは……最後にメイコさんからもらった【あの指輪】だった

私はあれが夢じゃないことを確信し、とてもうれしくなった


「ねぇ、テト?」

「わあ!な、なに?」


いつの間にか目の前にいた眼鏡装備のしるる


「今日、楽しかった?」


二コリと笑って聞いてくるしるるに対し、私は「うん、とっても」と笑い返した


「あのね、しるる……」

「なーに?」


私の隣にきたしるるに向かって、にやにやとしながらこう言ってやった


「みんな、いい人達だったよ。しるるにありがとうだってさ!」


一瞬、驚いた顔になったしるる……

けど、次の瞬間、安堵の表情にかわって……


「そっか……よかった。安心したよ。ありがと、テト」

「何も心配しなくてもよかったのに……しるるって本当に馬鹿だなぁ」


私の言葉にこのやろーと反応し、髪をぐしゃぐしゃとしにくる、しるる

でも、しるるは笑っていた

だから、私もしるるに笑いながらやり返した


そして、きっと彼らも……どこかで笑っているんじゃないかな



これは私としるるだけがしっている、素敵な彼らとの出会いのお話……


【みんなにインタビュー(仮)……完結】

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

みんなにインタビュー(仮)#最終回

ここまで読んでくれた方、ありがとうございますw
思いのほか、#37から早い展開で完結してしまいましたw ちょっと、そこ、反省点w
また、「投稿しなかった作品の行方」を裏テーマにしてましたww

今回の作品、ここまで来ると、全貌がわかるのですが……
本当はしるるが自分で彼らに会うのが怖くて、テトを身代わりにするという御話でしたww
そして、テトは見事、彼らから「しるるに感謝している」という事実を引きだしました
つまり、テトは意図せず、しるるが一番気になっていた「恨んでいるかどうか」ということを聞き出せたのです。インタビュー成功です!!!←

どうですか?ただのほのぼの(?)ストーリーだと思っていませんでしたか?ww←

若干、思っていたのとは違いましたけど、それぞれかわいく書けて満足ですww
ミクちゃん、レン君、ネルちゃん、ハクさんの出番が少なめでごめんなさいww


  光あるところに影あり

  しかし、逆は成らず

  影あるところに光あるとは限らず

  真っ暗やみでは影のみ

  だから、作者がそこに光をあててやらなければならないのです

                                      」


ここまで読んでくれて、ありがとうございました!
次回作は、真面目なものに取り組むつもりです!
……詳しくは後ほど別テキストにて!

閲覧数:452

投稿日:2013/04/05 19:10:59

文字数:1,467文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

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  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    ほわああ!!! 感動!! です!!
    流石です!!!

    次回作楽しみです!!

    あんまりしゃべり過ぎても、この感動を伝えられない気がするので
    ここらへんにしといたろ!!ww

    2013/04/06 19:03:04

    • しるる

      しるる

      ありがとうございますww

      私たちの間に、語る必要はないということですね!いいですね!←ww

      2013/04/06 19:15:44

  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    しるるさんは(仮)とついた作品をだすと120%の確率で読者を泣かせるかもしれないなどとつまらない事を考えたTurndogですw
    私は最初から!!―――――お得意のメガトンほのぼのだと思ってましたwww←

    ところでさして関係ない事ですが。
    私は自分が作った世界観はすべて表に出そうと考えています。
    影に追いやってしまうには余りにもキャラを作りすぎてしまうから。
    そして作ったが最後、命を吹き込まれたキャラクターは暴れ出してしまう。勝手に。
    影に追いやろうとしても、それを拒むキャラクターたちが表舞台に躍り出ようとする。
    ならば私のやるべきは、彼らを影に追いやるのではなく彼らが迷子にならぬよう手綱を取ってやること。
    あらゆる物語をヴォカロ町シリーズに結び付けようとするのは、そこからなんですねw
    感想じゃなくてすみません。

    2013/04/05 22:57:38

    • しるる

      しるる

      まぁ、(仮)ついてますけど、一応「君たちは実に……」の続編のつもりですからねw
      ボカロ観察の続編じゃないと、はっきり区別したかったというのもありますw

      全てを出せたら、それ以上はないです
      けれど、私にはそれが出来ないので、申し訳ないと思いつつも、チャンスはこうしてあげます!w

      次回作は、ほのぼのにはならない……はず

      2013/04/06 01:38:15

  • ハル

    ハル

    ご意見・ご感想

    ・・・・ふう 四回目・・(投稿失敗して)
    見事な失敗率。
    素晴らしい作品でした 感動!;////;
    もうしるるさんすごい・・
    テトは、インタビュー成功できたんだね!
    しるるさんも、事実を聞いて、良かったです!
    もうこの子達大好きヽ(*´∀`)ノ
    言いたいことは前回に全開に言ってしまったのでwww(ダジャレじゃないですよ
    39話、お疲れ様でした!!次回作期待!次回作も、永遠に一人残らず愛せますように・・

    2013/04/05 22:51:18

    • しるる

      しるる

      そういってもらえて、うれしいですww
      やっぱり、褒められるのは手放しで嬉しいのですww←

      次回作……すぐに投稿しますよ!

      2013/04/06 01:33:45

  • 美里

    美里

    ご意見・ご感想

    うわぁぁぁぁぁ、最初はただほのぼのしてるしーちゃん得意のアドリブシリーズだと思ってたのにぃぃ!なんか切なくて温かい!
    タイトル詐欺だ…って前は思ってたけどなるほど、キャプションを読んで納得しました。恨んでるかどうかをインタビューさせたかったわけですね。知りたいけれど、その答えを聴くのを恐れているから内容は教えなかった…的なわけでしょうか。
    キャプション感動です…私はデータすぐ消しちゃってるからなぁ……←
    今までの作品を読んでるからこそ楽しめて、まだ読んでない作品も読みたくなる素晴らしいシリーズでした。
    39話、お疲れ様でした!次回作も楽しみにしてます!

    2013/04/05 20:23:38

    • しるる

      しるる

      ありがとうございますw

      テーマが重い分、ゆるいところから入れたのはよかったですw
      解釈はそういうことで大丈夫ですw
      過去の作品と何かしらリンクさせるのは、一作目のころからやりたいと思っていたので出来て良かったですww

      本当にありがとうww


      というか……あそこ、キャプションっていうのかwww←無知

      2013/04/05 20:43:39

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