#38「さよならとテト」
前回のあらすじ
深夜0時を回り、彼らが帰ると言いだした
そして、彼らは「次はない」といった
さらに「私たちはデータ本体ではなく、データの削りカスみたいなもの」とも……
「削りカス……?い、一体、どういうことですか」
私には彼らの言葉を理解できない
すると、カイトさんが前に一歩出て、話し始めた
「僕らは、しるるさんが作品をつくっていく過程で生まれ、そして、世に公開されなかった部分のデータなんだ」
え……
「誰にでも、作ってみたはいいものの、気にいらない、上手く出来なかった、書きなおしというように世に公開されないものがあるはずだ」
「そのデータが……カイトさんたちということですか?」
私の問いに、黙って頷くカイトさん
「私たちは……正直、しるるを……恨んでいたわ」
メイコさんの言葉は、私の胸に突き刺さった
「私たちの事……必要としてないんだって……そう思ったから」
でも、メイコさんの言っていることもわからなくはない
「拙者たちは、世に公開されたデータたち……いわゆる本当のデータ本体たちがうらやましかった」
「そう……だから、リンなんかは、無理やりデータをロードするなんて荒業をやったわけ。【このリン】にとって、【公開されたリン】は、まさに憧れだったから……」
レンさんが、ぐったりとしてしまったリンさんの代わりにそういった
「今回、こうやって、実体をもらったのは、しるるさんに失敗した全てのデータを集めて、収束させてもらったからなの。私たちが自ら望んでね」
ルカさんが私の後ろでそういった
「だ、だったら!次もしるるにそうしてもらえば……」
「それは無理です」
私の言葉を遮ったのはミクさんだった
「……もう、私たちに残されている時間がありません……自分の体ですからわかります」
「そんな……」
どうしてそんな悲しい言い方をするの……
「じゃ、じゃぁ!なんで!なんでそうなるまで、ここにいたんですか!もっと早く言ってくれれば……」
「限られた時間だからに決まってるじゃないか!」
ネルさんの大声に私はビクッとした
「ボクらは……自分たちが消えるとわかっていても、一度でいいから日の当る所にいきたかったんだ!」
その一言は……きっと心からの叫び……
「…………しるるさんにはたくさんあやまられたし、止められたけど、それでも私たちは自分達がいたという証をここに残したかったの」
ハクさんは、脚から崩れ落ちるようにして地べたに座り込んだ
「私たち……最後にテトさんとみんなで楽しく過ごせてよかった。」
リリィさんはそう言ってくれる
「なんとか、みんなでしるるさんにありがとうって言おうと思ってたけど……無理みたいだしね」
グミさんがいつものように笑いながら……でも、目に光るものを浮かばせながら……
「テトさん……今日は、本当に色々ありがとう。これ、受け取ってくれる?」
メイコさんはそういうと懐から大きな宝石のついた指輪を取り出した
「これは【妖精の指輪】っていうやつらしいけど……たぶん偽物ね。けど、これをあなたに持ってて欲しいの。私たちがいたっていう証拠に……」
「わかりました……」
私がそれを受け取ると、ありがとと笑ったメイコさん
そして、彼らは……私に【さよなら】と言った……
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もっと見る#39「しるるとテト」
前回のあらすじ
彼らは……私に【さよなら】と言った……
「…………ト………テ………テト…………テトってば!!」
私は誰かに呼ばれて、上体をばっと起こす
「もう……なんでこんなところで寝てるの?」
「し……しるる?」
私の目の前にはしるるがいた
「え、あ、そ、そうだ!!」
私は...みんなにインタビュー(仮)#最終回
しるる
#79「勘違」
翌日、天気がいい
ただ、孤児院の中が心なしかどんよりとしている
義弟や義妹たちは、いつも通り、元気なのだが、ミクがややぼんやりとしている
完全に僕のせいなのだが……
レンもリンちゃんが心配なのか、どこかイライラしている
そして、僕もミクへの罪悪感と、リンちゃんが森に帰っていたらどうし...妖精の毒#79
しるる
#82「再び」
僕とルカさんは妖精の世界への入り口に向かう
「ルカさん、メイコさんとリンちゃんを助ける方法って、考えてあるんですか?」
ただ単に相手方に乗り込んでいっても、駄目なのは目に見えている
「正直、何も考えてないわ。」
僕の横を歩くルカさんは、しれっとそう言った
「手紙の相手が誰かもわからな...妖精の毒#82
しるる
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ご意見・ご感想
イズミ草
ご意見・ご感想
そんな……。
じゃあ、「残香」の振袖姿のリンちゃんも……内心は……。
みなさんお強いですね……。
最後に楽しく過ごせて、自分たちがいたことを知ってもらえてよかったね!!!
2013/04/05 09:15:10
しるる
リンちゃんは、精一杯たのしんでましたねw
最後だからって、無理しない、いつもの彼らっていうのがよかったですねw
2013/04/05 18:55:20
美里
ご意見・ご感想
公開されなかった部分のミクちゃんたち……
描いたのに上手く書けなかったから、投稿する機会を逃したからって、日も当たらずにデータを消去されていく……
当たり前のことなのだけど、やっぱり本人たちにとっては悲しいわけで。
やっぱり表舞台に立ちたいと思うよね……
でもしーちゃんが悪いわけでもないし……
最初のころはこんなシリアスな感じに終わると思ってなかったのに…タイトルが詐欺だなーって思ってたけどあんな明るかったのにこんな悲しい設定があるとは…
日の当たらない、陰で消えていく存在にも目を向けてみるべきですね…
次回、最終回!楽しみにしてます!
2013/04/05 08:45:39
しるる
そうです
表面しかみえないからこそ、作る側が、裏を考えてあげなくちゃいけないと思います
2013/04/05 18:53:35
ハル
ご意見・ご感想
最終回・・39!!・・小説で書いてきた子達、皆忘れません!
皆も、何話かやったら、全員でパーティー!みたいなこと、しるるさんを見習ってしようと思います!
「羨ましい・・自分たちは表に出てこれない 自分たちの本体が羨ましい
主が自分達を必要としていないと思っているんじゃ?とか。
そうか、この子達は、ずっとずっとこう思ってたんだ。
だから影から一度でもいいから、日の当たる場所に行ってみたかったんだ。
だから、今だけは一番に輝きたかったんだ。」
テトは、成長したんだろうな
この子達は、一人一人一つのお話の中で、がんばって輝いてたんだね
君達は、話一のスターだよ・・!!
書きやすいから、など 自分の好きな性格だから、など。
「データの削りカス」。そんなちっぽけな存在でも、君達が大好きだよ
「・・・ここだけでも、こんなにコメントをくれて、癒してもらえて、君達は実に幸せ者だな」
しるるさんの子達は、やっと、やっと、 自分たちの夢見る場所へ行けたのかな?
「君達は実に馬鹿だな!皆君達のことなんか忘れてないんだからね!!!」
語りすぎた(`・ω・´;)何かもう最終回的な雰囲気になっちゃったどうしよう
しるるさんのおかげで色んなことに気づかせてもらいました 感謝!!
2013/04/05 00:47:18
しるる
ほ、ほんとですね。
言いたい事が全て言われてしまった感ww
それは最終回のハードルがぐんと上がったような……
しかし、もう#36を投稿している段階で、最終回は書き終えているので、変わりませんw
2013/04/05 01:28:58
和壬
ご意見・ご感想
感動しました。
私的には最後のメイコさんが一番優しくって、健気ってゆうか…
すいません、うまく表現できません。
とりあえず、フォローさせて頂きました。
これからも頑張って下さい。
応援してます。 ……のーかでした
2013/04/04 21:49:45
しるる
おお!はじめましてw
ありがとうございますw
あとで、私もフォローします!
めーちゃんは、いつもみんなのことを考えてますw
だから、誰もめーちゃんに本気で逆らわないのですw
信頼ですねw
2013/04/04 23:56:41