「ごめんなさい……」
青い髪の男が私の足元で土下座をしている。
私はそれを見下ろしながら仁王立ち。
さながら、愚かな咎人と、傲慢不遜の女王様だ。
「な・に・を、申し訳ないと思ってる訳?」
「それは……その……」
男が顔を上げる。
眉がこれでもかというほど下がり、瞳には涙を溜めている。
それでも威厳ある成人日本男児か。
「怒らないから、私にもわかるように、ちゃ~んと説明してくれるかしら……?」
少しニコッとして、そう言っただけなのに、彼は「ヒィッ」と情けない声を出して更に縮こまった。
「めーちゃんの誕生日……」
「それがどうかしたの?」
私は足元の彼に目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「……」
「カイトっ!」
「……めーちゃんの誕生日、11月5日なのに、その……お祝い、できなくて……こんな……遅れちゃって……」
「それで?」
「ごめん、」
……なさい、と消え入りそうな声で彼は告げた。
「ふう」
私は呆れてため息をついた。
それを聞いて、余計な罪悪感が湧いたのか、カイトはもう一度ごめんと言った。
「いいよ、別に」
「うぅ……」
私は彼の頭を撫でた。
彼は犬みたいなつぶらな瞳で、私を見つめる。
「それでね、めーちゃん」
おずおずと差し出す、小さな箱。
心臓が跳ね上がる。
「開けてみて」
「え、うん」
おそるおそる施されているリボンをほどいて、私はその箱の蓋を開く。
そこには、銀色に光る、シンプルな指輪が―――
「って、ナニコレ!!!??」
――入ってなかった。
「何って……ネックレス……?」
シンプルで、綺麗なネックレス。
真ん中に一つだけ、真っ赤に光る石がついている。
宝石かどうかはわからない。
だってこいつ、ケチだし。
彼はおもむろにそのネックレスを手にし、私の首に手を回し、私に着けた。
「やっぱり似合うね」
なんだこいつ。
「お誕生日おめでと」
なんだこいつ、なんだこいつ。
「死ね」
彼の顔面に一発かました。
泣きながら自分の鼻をなでる、彼。
「ひどいよ、めーちゃ……」
その彼の言葉を、私は塞いだ。
顔を離すと、このネックレスさながら真っ赤になった彼が見えた。
髪の色とのコントラストが気持ち悪いぞ。
「な、なななな」
そんな彼を見ながらしたり顔でほくそ笑んだ。
「ざまあみろ」
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