「みんな、お疲れさま」
 ここは、帰りの車の車中。前方の席に座っているKAITOが一行をねぎらう。雅彦たちは料理を自分たちの家で作った上で沢口の家まで持っていったのだった。今度は空になった食器や鍋が後部シートに置かれている。
 「確かにちょっと疲れたわね。久しぶりに気合いを入れて料理を作ったから」
 KAITOの隣でシートにぐったりするMEIKO。
 「ねえ、KAITO」
 「何だい、めーちゃん?」
 「帰ったら、肩叩いてくれない?」
 「おやすいご用だよ、めーちゃん」
 「…雅彦君」
 「何です、ルカさん?」
 「私も家に帰ったら肩を叩いて欲しいの」
 「構いませんよ」
 料理は雅彦とMEIKOとルカで作っていた。
 「…雅彦君、悪いわね。料理も作ってもらったのに」
 「いえ、僕は単なる手伝いですから。それに、今回の誕生日の言いだしっぺは僕ですし」
 「…それにしても、沢口さんって本当に良い人ね」
 MEIKOがしみじみと語る。
 「そうですね、元々人が良いんでしょうね」
 「私たちの知り合いって、たいてい何かしらのビジネスが絡む知り合いが多いから、どうしても話がビジネスライクになって、仕事の内容の話の次にお金がどうのこうのって話になるのよね。確かにお金は重要だけど、あんまりそんな話ばっかりもいやね。そんな中で、あんな感じで金銭的な損得抜きで話せる沢口さんは貴重よね。私たちにとっては、一服の清涼剤みたいなものね」
 「そうですわね。話していて気が休まるのがよく分かりますわ」
 ルカも賛同する。
 「沢口さん、おじいちゃんみたいで好き」
 「そうだな、俺たちにも優しく接してくれるし。そういや今年の正月に、俺たち、お年玉をもらったんだよな。俺たちの方が稼いでるのに」
 「良いんじゃないかな。沢口さんもそのことは十分承知の上だったと思うよ」
 雅彦が口を挟む。
 「まあ、沢口さんから見たら、私たちは全員孫みたいな年齢だものね」
 そんな感じで話していると、やがて家に着いた。
 「さあ、みんな、各自分担して食器と調理器具を持っていってちょうだい」
 『はーい』
 そういって、各自分担して食器を持っていく一行だった。

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初音ミクとパラダイムシフト4 3章5節

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投稿日:2017/03/09 21:38:26

文字数:921文字

カテゴリ:小説

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