僕はある女性に恋をした…――――――
でもその恋は絶対…―――――――――
叶わない恋だから…―――――――――
「すみませんっ」
僕は学校に行く途中、誰かとぶつかった。
「こちらこそっごめんなさい」
僕は彼女の方を見て思った。
なんて素敵な方なんだ…あ、同じ制服だ…
「し、失礼しますっ」
僕はこの瞬間恋をした。っていうか一目ぼれ。
また会いたいな…会えるかな?
そう思って学校へ行った。
そして帰り道。
あ、あの人は朝の…
僕の目の前に朝ぶつかったあの人がいた。
「あ、おーい」
こちらに向かって手を振っている。ぼ、僕に振ってるのかな?
すると彼女は僕のところに来た。わっどうしようっ
え…―――?
彼女は僕の隣を通って普通にスルーした。
「メイト!」
彼女は僕の後ろにいた男に抱きついた。
「メイコ」
男はそう言うと彼女の頭をなでた。メイコさんっていうんだ…
じゃなくて、
彼氏、いたんだ…
僕はそこに居たくなくなった。そしてダッシュで家に向かった。
「あっ」
私はおもわず声を出してしまった。
「ん?どうしたの、メイコ」
「ううん。何でもない」
確かあの人…朝、ぶつかった…
何で走ってんだろう?
やっぱり僕はダメなんだ。たかが一目ぼれしただけでこんなに浮かれて…
どうして僕ってこんなに報われないんだろ…?
いつもそうだ。僕が好きになる人は必ず彼氏がいる…
僕の友達だってそうだ…
なんで僕だけ…
泣きながら走り、家に着いた。
一人暮らしだから、誰もいない。僕以外、誰もいない――――――――
今日はそれが、とても寂しかった…
僕はメイコさんに手紙を書くことにした。
僕のことは知られてないと思うから、全く別の人になって。
そして次の日の朝。僕は誰もいないのを見計らってメイコさんの靴箱に手紙を入れた。
手紙にはこう書いた。
初めましてこんにちは。僕は田中太郎です。
別に怪しい者でも良い者でもありません。
ただ、あなたとお話がしたいだけです。
と言っても信じてもらえないのは分ってます。だから、
僕が書く手紙を読んでくれるだけでいいです。
自分でも意味分らん内容だ。でも、渡せただけでうれしかった。
この日から僕は毎日手紙を書いた。
内容は、楽しかった事や学校の事。その他もろもろ。
今日もまた、彼女の靴箱に手紙を入れた。
そして、その場を去ろうとした時―――――
「待って!」
僕は止まった。気付かれちゃったかな…
「あなたが田中太郎さん?」
あーあ。完璧にバレちゃった…
「そうです」
「僕はあなたのことが好きです。でも、これはもう叶わない恋なんです」
「どうして…?私に彼氏がいるから…?」
僕は悲しい顔を隠して笑顔で振り返り
「はい」
その時、目からは涙が落ちた。
「何でそんな悲しい顔をするの?メイトふってきた、意味ないじゃない…」
?
僕の頭にはこれしか浮かばなかった。
「えーと、どういう意味ですか…?」
メイコさんはにっこり笑ってから
「こーいう意味よっ」
唇にそっと何かが触れた。
ニヤッと笑うメイコさんに対し、僕はあわてることしかできなかった。
「そーいや、まだ名前聞いてなかったわね。私はメイコ。あなたは?田中太郎さん」
今の僕に状況を整理しろと言われても無理な話だ。
そして僕は笑顔でこう答えた。
「僕は…カイトです」
fin
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