ラビットの言葉を信じて教会へ急いだ。途中無線で連絡をしたらしく、他の皆や数名のNPCも集まっていた。教会の入り口にはしっかりと鍵が掛かっていた。
「ここの施錠は何時しました?」
「えっと、掃除が終わってからなので昼前です。」
「昼前…掃除中に入り込んだとしたら。」
「ええ、開けてみましょう。」
鍵を開けと重い扉がゆっくりと開いた。
「しあ!しあ~~!」
真っ先に声を上げたのはあの男の子だった。真っ赤な目で薄暗い教会の中に躊躇いも無く飛び込んだ。
「幾徒様!」
「捜してみましょう。」
「うん。」
手分けして教会の中を探し出して数分後だった。
「ゲルニカ?」
「ん?」
ウサギのゲルニカがラビットの腕の中でジタバタと暴れていた。床に降ろすとゲルニカは窓の方へと走り出した。
「ゲルニカ、そっちは窓だぞ?部屋は無い。」
「それとも外に何か…ああぁっ!!」
窓から下がっているカーテンに丁度隠れて小さな女の子がすやすや眠っていた。
「居たぁ―――!!詩亜ちゃん居ました!!此処!こっちです!」
「しあ!しあ~!しあ~~!!」
「…って、こんな所に?!」
「こりゃ判んないわ…。」
人の声に女の子は顔をしかめると目を擦りながら起き上がった。
「う~…?」
「しあ!」
「いくと?う~?みんないっぱい…?」
「詩亜様、捜しましたよ。」
「ひちょか!ちあね、かくれんぼちてたの!」
「はい、やっと見付けました。」
女の子は散々捜したこっちの事などお構い無しに無邪気に笑っていた。皆の顔にホッと安堵の色が広がった。少し皆と離れた所に遠慮がちにラビットが立っていた。
「どうした?」
「…その…お前は大丈夫だったけど…皆や子供は恐がるんじゃないかと…。」
「そんな事は…。」
言い掛けた時、とことこと歩いて来た女の子はラビットに小さな箱を差し出した。
「めーとがね、これは、おねぇたんのだよ、って!」
「私に…?」
「うん!どーぞ!」
「…あ…ありが…とう。」
「コンプリート――!!ラビット様無事に花をゲット!!クーリアー!!視聴者の皆様、
動画はここまで!!MVP投票に移行するっぜぇ―――!!」
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お疲れ様(^ー^)
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