その時、部屋のドアを「トントン」とノックする音が。
「はぁい」
答えながら、紙魚子さんがドアに向かう。
部屋をのぞきこむように立っていたのは、レイムさんだった。
「ミクさん、こんにちは」
「お久しぶり、レイムさん」
椅子から立ち上がって、笑顔になるミクさん。
2人は、デフォ子さんがここに居たころに、会ったことがあるのだ。
「お邪魔します」
「どうぞ、入って」
とドアを開く紙魚子さん。
目をキラキラさせながら、ミクさんの向かいの席に座る。
なんだか部屋の勝手を知ったるような、彼女だった。
レイムさんは、紙魚子さんが席に戻るなり、尋ねる。
「ねえ、またあの会社?動き出したの? あの、月光企画?」
なんだか、ちょっと喜んでいるような、はずんだ声だ。
これから、少々不思議な話になるかと思っていたミクさんは、やや面食らった。
●なんなんだ、この人は?
「そうなんだよ。月光企画」
こちらもまた、落ち着いたような答えをする、紙魚子さん。
すると、しばらくミクさんと紙魚子さんの顔を、かわるがわる見比べていたレイムさんが、言った。
「...月光企画と、“はっちゅーね”、の事、ですよね?」
ミクさんは、とりあえず、うなずいてしまった。
うなずきながら、「なんなんだ、レイムさんは、人の心が読めるのかしら」と、ふと思った。
すると、紙魚子さんに向かって、レイムさんは聞く。
「何か、起こったの?事件か何か」
「うん、いえ、まだ」
そういって、ミクさんのほうを見る。
そして言った。
「起こりそうなの。ミクさんは、その相談に来られたの」
●まだ危険な目には...
レイムさんは目を見開いて、ミクさんに向かって言う。
「あ、誰か、神隠しに会いそうだ、とか?」
あまりにもズバズバッ、と続ける言葉に、ミクさんは呆気にとられてしまった。
その顔をジッと見て、彼女はニヤッとした。
「そうか。そうなんだね。チキショー、あの会社。やることが、ホント不気味なんだよね。なんなんだ、あの会社」
それを聞いて、ミクさんはこんな場面なのに、ちょっと可笑しくなってきた。
「(なんなんだ、って。アナタもなんなんだ、よね)」
心の中でそう思う。
レイムさんは続ける。
「ミクさん、あの会社の仕事をことわった、とか...。そんな事じゃないの?」
「そうなのよ」
図星を突かれた形だが、思わず大きくうなづいた彼女だ。
すると、妙なことに、紙魚子さんがレイムさんに向かって、こう言う。
「そっか。レイムちゃん。カンが冴えてるね。それじゃ、わかるかな...?」
じっと紙魚子さんの目をのぞきこんでいた彼女。
ゆっくりとうなずいて、答えた。
「うん。まだ、だいじょぶ。まだ、誰かが危険な目には、会っていないと思うよ」
こんどは、ミクさんがレイムさんの目を、のぞきこんでしまった。
「何...? そんな事が、わかるの?」??(・_・*)(
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B
メーデー メーデー 見つからない
見つからないから かき鳴らせ
メーデー メーデー 助からない
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かぜよみるいと
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