「ミキさん、ミキさん!」
 「わっ!どうしたの?」
 「向こうで患者が暴れてるんです!氷山先生が抑えているらしいですから、行ってあげてください!」
 「わかったわ。・・・あれ、めぐ、めぐは?」
 「私もすぐ行きますんで、ミキさんは早く!」
 「え、ええ、それじゃ!」
 「・・・。・・・。・・・ふう、さて、ガク、いるんでしょ?」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・ああ、どうした」
 「例の子、レン君と接触しちゃった。もう駄目だよ。たぶん影響出始めちゃってる」
 「・・・そうか」
 「はやくやっつけに行こ?」
 「・・・」
 「どうしたの?」
 「・・・お主、随分と楽しそうだな」
 「当たり前じゃない!やっと仕事が回ってきたのよ!」
 「・・・我はあまり好かぬがな・・・」
 「そう?そう言う割にいつも楽しそうじゃない?前にあの子がレン君に接触しようとした時、あの子をばっさばさに斬り刻んでたの誰よ?」
 「・・・義務だからな・・・仕方あるまい」
 「そんな事言って。楽しいんでしょ?ホントは」
 「ええい、やかましいぞ小娘が!お主まで斬りつけられたくはなかろう!」
 「あらあら怖い怖い。まあいいじゃない、行きましょ」
 「・・・ふん」
 「まずはレン君からだね、あ、あとあの子に近づいちゃったからユキちゃんも。ユキちゃん、どうせ先長くなかったろうからちょうどいいね」
 「・・・我は気が進まぬ、お前がやれ」
 「そう?ありがとー!じゃっ」

 ぱちん。



 「・・・なんだ?」
 目を閉じていた時、指をならすような、そんな音で目を開けた。
 そして、その光景に驚いた。
 辺り一面、停電したように真っ暗であったのである。夜の闇よりも深い闇。驚愕と恐怖で体が凍りついた。むやみに動いてはいけない。体が、脳が瞬時にそう判断したのか、金縛りのように体が硬直したまま動かなくなった。恐怖だけが、ゆっくりと、じわりと背筋をつたうように全身に広がっていく。
冷静になれ、落ち着け、そう言い聞かせる程に体は震えていった。
 「・・・お兄ちゃん、いるの!?大丈夫!?」
 「・・・ユキちゃん!」
 少女の声に体の硬直がとけ、ユキちゃんがいるはずの右隣へ手を伸ばした。しかし、手は空を切るばかりで、何も掴めない。手に汗が滲んでいくのがわかった。

 ぱちん。

 ・・・まただ。またあの音だ。

 ぱちん。

 なんだ。どこから聞こえるのだ。空を切っていた手が自然と止まった。

 ぱちん。

 「・・・お兄ちゃん・・・」ユキちゃんの不安そうな声が聞こえる。

 ぱちん。

 「・・・誰だ」人がいる確信などないのに、何故か口がそう開いた。

 ぱちん。

 突然、視界が青く染まった。
 ただの青ではない。先程のような何も見えぬ闇ではない。
 壁も、椅子も、座っていた人間も、すべて青く染まっているのだ。また、時間が止まったかのように、皆固まっている。歩いた体勢のままの男や、隣の女に話しかけようと身を乗り出したまま固まっている女など様々だ。俺と、ユキちゃんを除いて、全て。
 ・・・いや、“俺とユキちゃん”だけじゃない。誰か、いる。
 その誰かは、俺達の近くまで、軽快な足取りで近づいてきた。
 「やっほう、びっくりした?」


 片手を指をならす形で構えている、一人の女。

 それは、先程のめぐさん、と呼ばれた看護婦であった。


  --続く--

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

鬼さん此方、手の鳴る方へ。 -壱拾壱-

グミさんに捕まりましたね、レン君達。
がくぽさんもそろそろ活躍時ですね。

後残ってらっしゃるのは、いろはさんとガチャさんとVY1さんとlilyさんかな?海外組もいるな。むむむ、どうしよう。

そしてかなり遅れましたが先生達、誕生日おめでとうございます。
そしてレンリンアペンド、公式絵来ましたね。おめでとうございます。

めでたい事一杯!万歳!

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閲覧数:288

投稿日:2010/12/10 15:08:21

文字数:1,429文字

カテゴリ:小説

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