「ああああああああああああぁーーーーーっっ!!!!!!」
部活帰り。季節は秋。時刻は午後7時位
近所迷惑という言葉を知っていながらも叫んだ
居場所が無いような気がしたから。
自己主張の為に、叫んだ

幸い周りの家から文句が出ることはなかった
それが逆に寂しく、寒い風が体を刺した
「うぅ」
なんでこんな時間まで部活やるんだ畜生とか今日のテストは悲惨だったなとかそんな事思いながら歩き出す

”お前より鏡音煉の方が優秀だ”
この間教師に言われた言葉。家ではだらしない癖に学校では生徒先生ともに人気のある双子の弟…煉。
優秀だからなんだよって感じ。馬鹿じゃないの?最初は勿論そう思って特に気にしなかった。けど
だんだん隅に追いやられているような感覚。なんていうのかな。
周りの友達が全部向こう行った感じ。現実。

”確かに琳より煉の方が一緒に居て楽しいよね”
”勉強は微妙だし、顔だったら巡音だろ”
”いっつも何考えてるか分からないし”
煉の方が楽しくて悪かったな。琉香の方が美人で悪かったな。無表情で悪かったな

「煉のばーーーーか。ちーーーーび。へたれんーーーーー」
「あほーーーーバナナ頭ーーーーーーおまけーーーーー」
どうせ煉居ないし、叫んでもいいよねとか思ったり

「ガリベンーーーーオーボエ下手くぞっ!?」
いきなり
後ろから足が飛んできた。いや、靴か。
頭にクリーンヒットした。絶対ローファーのかかとだろ痛ぇーよ謝れ
とか思って後ろを向くと

「オーボエ下手で悪かったな。ガリベンで悪かったな」
「琳ナイスすぎるぜ。もっと言え」
怒りを露にした笑みの煉と幼馴染で男前毒舌の魅玖
それに対して私は
「何故ここにいる」
と、一言。帰ってても良かったのに
眉間にしわを寄せている私に魅玖が言う
「『最近琳と一緒に帰ってないし久しぶりに3人でかえり゛っ・・・・・・たい』って煉がふっ!?」
2回ほど拳が体にめり込んだにもかかわらず続けた。

なるほど、大体分かった
「だれがガリベンなんかと一緒に帰りますか」
と、笑いながら吐き棄てるように言った
煉は顔を真っ赤にして怒る
「・・・フルート上手いからっていい気になるなよ畜生」
「はっはっは。姉様に向かってそんな事言うのかい」
「はいはい、早く帰ろうぜー」
魅玖の一言で中断



「ああああああああああああぁーーーーーっっ!!!!!!」
「うるせぇ!」
「お?何?」
部活帰り。季節は秋。時刻は午後7時30分位
再び、自己主張
私の居場所は学校ではない。
クラスメイトの隣ではない。


この二人の、隣だ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

居場所



ここまで読んでくれたことを感謝いたします

閲覧数:187

投稿日:2009/10/24 14:16:27

文字数:1,085文字

カテゴリ:小説

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  • 波奈

    波奈

    ご意見・ご感想

    冒頭はむしゃくしゃしてやりました。特に反省はしていません((
    お、良い双子でしょうか?ありがとうございます
    最後はちょっと迷った甲斐がありましたw
    感想ありがとうございました。

    2009/10/30 23:10:36

  • ゆっきー

    ゆっきー

    ご意見・ご感想

    冒頭ビックリしましたwwww
    これは良い双子ですね(^_^)
    それに最後の締め方がとても良かったです。綺麗な終わらせ方でした(*^_^*)
    ではでは。失礼しました。

    2009/10/30 17:17:40

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