「もー、キヨさんいきなり過ぎて怖いよー」
今はちず家からの帰り道。
そんな近くにあるわけじゃないけど・・・とある理由で歩いて帰っている。
「・・・キヨテル、お前は一体何者?」
「Lilyさんそんな目で見ないでください、ただの高校教師ですよ」
「ただの高校教師がストーカーしてたら捕まるけどな」
キヨさんの軽めの弁解に、がっくんの辛辣なツッコミが入る。
・・・そういえば、がっくんが言ってた『権利移動』って何のことだろう?
【すぅ家・ちず家】ちず家訪問!No.07【コラボ・S】
「るかさん、身体大丈夫?」
「え、ええ・・・何とか・・・」
そういえばるか様全力ダッシュしてたもんね・・・。
自分は体力あるからあれだったけど、まあ、運動できないるか様拝ましてもらったからよしとする!!
「・・・もしここにいあいたら大変だったろーなー。お姉様ー!って」
「いろはちゃんがいあちゃんの心配をするなんて・・・」
「まあ、流石にあそこまで言い寄られたらそりゃ気になりますって」
「いや僕そんなんじゃないし」
グミさんとリンちゃんの井戸端会議に突っ込みを入れたいろはたんにツンデレ疑惑が浮上した。
ツンデレは、神。
「今日は散々だった・・・」
そう呟くのはLilyちゃん。メイド服やらメールやらがくぽ君やら大変だったよね・・・。
あ、でもキヨさんのことは私無関係よ?本当にストーカー?してたらしいし。
「ちずさんって面白い子だったよね」
「また行ってみたいなー」
「ロリが見られたし!私は満足!」
その反面、ロリコンといろはたんは笑顔で談笑している。
今度はうちに呼んでもいいかもねー、と思いつつ、私はちず家に戻る頃合を探していた。
「あっ!ごめそ忘れ物した!!」
もちろん口実だけど。というかキヨさん以外はかなりあ荘に帰ること知ってるんだよね。
「おま、忘れ物って・・・」
「あら・・・わたくし、ついて行きましょうか?」
「ううん!ウチ1人で大丈夫やから・・・先帰っててくれる?」
本気で心配するるか様に対し、がっくんは察してくれたのか呆れ顔で小芝居を打ってくれた。
「じゃあ、皆さん行きましょうか。すぅさんも、お気をつけて」
「き、キヨさんありがと、そんじゃ!」
私は(主にキヨさんから)逃げるようにしてちず家に向かった。
小走りでちず家に向かう。
そういえばがくぽくん大丈夫かな・・・さっき叫び声がかすかに聞こえた気がしたんだけど。
ルカさんもお怒り気味だったし、惚れ薬って怖いね!
そんなこんなでちず家に行くと、何故かドアが半開き。セキュリティも何もあったもんじゃない。
とりあえず「お邪魔しまーす」と声を掛け、リビングまで向かった。
「ちずーいるー!?」
バタン、と音を立ててリビングに入ると、そこにいるのはがくぽ君とルカさん。しかもなんかポッキー咥えてる。
・・・あ、これはあれだ、巷で言うお邪魔虫ってやつだ。まさか私がこれになるとは。
「す、すぅさん・・・どうしたんですか?」
数秒の沈黙の後、ルカさんが声を掛けた。
「あ、えー、と、はい。ちずはどこに・・・」
「ちずなら、確か・・・ねぇ?」
「あ、あーはい、かなりあ荘の方に行ったけど・・・」
あれ、置いてかれた!?てっきり待ってるのかと((
「あ、はい分かりましたーはい・・・お邪魔してゴメンナサイ、では・・・」
微妙な空気にしてしまった。そしてそのまま逃げた。
あの後、2人がどうなったかは・・・分からない。
「ちーーずーーー!!」
かなりあ荘があと少しのところにあるコンビニで、ちずが満足そうな顔をして出てきたから声を掛けてみた。
「あっすぅ!一度家に帰ったんじゃないの?」
「いやいや、帰ったら物理的に出られなくなるしさ・・・」
主にキヨさんとかLilyちゃんとかに。
「それに、お説教とか嫌だよ・・・」
「最高じゃない先生のお説教とか!!」
「えっ」
天地がひっくり返ってもそれだけはないと思う。
・・・そういえばこいつは叱られたいタイプだったな・・・てかさっきのがくぽくんへの攻撃を見ただけで普通は引くか怖くなるもんだと思うけど?
「とにかく、帰ろっか」
「そうだね!」
そして私たちは、夕日に照らされながらかなりあ荘へと続く道を歩いた。
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