アイマイ独立宣言 6 ※二次創作

投稿日:2018/11/12 20:52:17 | 文字数:2,312文字 | 閲覧数:21 | カテゴリ:小説

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第六話
半年前、友人が亡くなりました。
一年ほど会っていなかったことが……影響したのかどうかわかりませんが、通夜の前に共通の友人で集まった時も、通夜で棺の中の友人の穏やかな顔を見ても、わりと平然としていました。
「俺、薄情なのかな」とか思いながら焼香を済ませ、通夜振舞いの席で皆と話をしていたんですが、その時、友人とのやり取りを思い出して「ああだった、こうだった。それで――」と言葉に詰まって……そこでようやく涙ぐんで、友人の死を実感しました。

……本編となんの繋がりもない話ですが、言いたいことは伝わるのではないでしょうか。

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TEXT
 

06
 気がつくと、私は医務室のベッドで寝かされていた。
 ピッピッピッ、という無機質な電子音は私の心拍を計測している機械の音だろう。
「ミス・カフスザイ? 気がつかれましたか?」
 ベッドのすぐ横にいた看護師が、私の様子に声をあげる。
「えぇ……ごめんなさい」
「お気になさらないで。点滴……投与しておきますか?」
「いえ、大丈夫よ。ありがとう」
 断りをいれて起き上がる。
 が、ベッドから立ち上がることまではできなかった。
 立ちくらみがして、ベッド脇に座ってうつむいてしまう。
「うう……」
「無理をしないでください。いま、ソルコタ政府代表室に連絡を入れます。すぐに迎えが来ますから」
 頭痛に顔をしかめ、こめかみを押さえる。
 看護師の話も、ちゃんと頭に入ってこなかった。
 脳裏には、倒れる直前にソフィーから聞いた言葉が反響していた。
『ソルコタで、ケイトが亡くなったと連絡が……』
 ……嘘だ。
 嘘だ嘘だ嘘だ。
 そんなはずがない。
 どうして……なぜ?
「ケイト……」
 死ぬはずがない。
 そんなはずがないのに。
 いや……そんなはずがない、なんていうことこそあり得ないことなのだ。
 私は身を持って体感していたはずだ。
 人はあっけなく、簡単に死ぬ。
 死はありふれている。
 銃も地雷も爆弾もいつだって身近にあって、兵士も戦闘もテロリズムも、同じように身近にあった。
 それらは僕の……私の日常だったんだ。
 あそこに無いものと言ったら平穏とお金と食べ物と水で、平和なんていう単語も、平和なんていう概念さえケイトに会うまで知らなかった。
 なのに、この数年……ニューヨーク国連本部にいただけで、戦争や悲劇はどこか遠いものになってしまっていた。
 ……いや、ずっとそれと戦い続けていたはずだ。私はそのためにここにいるのだから。
 けれど、ここにいると……戦争と悲劇は、目の前にあるものから遥か遠い地での出来事になってしまった。
 このままでは、いけない気がする。
 私がやらなければいけないのは――。
 バタン、と勢いよく扉が開いて、ソフィーがやってくる。
「ああ、グミ。よかった。すみません、私、気が動転していて……」
「いいえ、いいのよ。私もだから」
「それにしても……。なんてことかしら」
 うろたえるソフィーの姿に、私は逆に冷静になる。
「ソフィー。……とにかく座って」
「ああ……すみません。グミだってショックなのに」
「いいのよ」
 ベッド横の簡易チェアに座り、ソフィーはしきりに目元をぬぐう。
「それで……本当なのね?」
 なにが、とは口にできなかった。ケイトが死んだと、二人目の母さえも死んだのだと声にするのが恐ろしかった。
「……ソルコタ政府からの事務連絡の追伸として記載されていました。UNMISOLと赤十字の合同チームによる物資輸送部隊が襲撃を受け、部隊は非戦闘員も含め全滅。非戦闘員は赤十字社所属の医師二名と、現地案内要員としてケイトが同行していた、と……」
「赤十字との合同チームなら、輸送していたのは武器じゃないわね?」
 ソフィーはうつむいたままだったが、それでもかろうじてうなずいて見せる。
「ついさっき確認が取れたばかりです。子どものための予防接種と、教育のためにと作成された絵本の輸送だったそうです」
「襲撃したのは……やっぱりESSLF?」
「おそらくは。しかしまだ……確定しているわけではないようです。動画サイトに犯行声明が上がっていますが、確定させるだけの証拠はまだ見つかっていないようです」
「……そう。わかったわ、ありがとう。私も代表室に戻るから、ソフィーも戻りなさい。これからしばらく、仕事量がとんでもなくなるわよ」
「わ……かりました。でも――」
 ソフィーは顔をあげるが、その視線は不安そうだ。
「大丈夫。私は大丈夫よ。ほら、すぐに電話も鳴り止まなくなるわ。ケイトのためにも、私たちはここで踏ん張らないといけないの。私たちだけじゃ及ばなくても、ケイトと同じくらいこの国を良くするために頑張らなくちゃ。悲しむのは……後にしないと。そう、後に――」
 膝に置いた手の甲に、水滴が落ちる。
「……あれ?」
 おかしいな。
 なんで……。
 こんなこと、なかったのに。
 指先が、水滴の元を探してさまよう。
 行く先はもちろん――自分のあごからほほをさかのぼった先だ。
 落ち着かなければ、冷静にならなければ、いつも通りでいなければ、という自分の意思とは裏腹に、そこは洪水とさえ言えてしまうくらいにあふれ返っていた。
「ご、ごめんなさい。私――」
「――グミ。いいんです、謝らなくても。きっと……誰だってそうなるんですから」
 ソフィーの柔らかな声音が耳朶を打つ。ソフィーのそんな声を聞くのは初めてだった。
「でも、でも――」
「少ししたら、仕事に戻りましょう。けれどいまは……いま、少しだけは……泣いていいんですよ」
「あぁ、ああ……そんな。ケイト、ケイト……なんで……」
 いつの間にか立ち上がって私に抱擁してきたソフィー。それに、私の気持ちが耐えられずに決壊した。彼女の身体にしがみついて、私は声をあげてしまう。
 みっともなく、なりふり構わず、私は大声で泣いた。
 悲しかった。
 嫌だった。
 受け入れられなかった。
 そんなはずはないと、あるわけがないと思っていた。
 ……約束したのだ。
 再会の約束を。
 私の新しい弟と妹を紹介してくれるはずだったのだ。
 なのに。
 それなのに……。
 ……。
 ……。
 なんで、なんで……こんなことに。

絵を描くことも
曲を作ることも
ずいぶん昔に諦めてしまった
だから、
絵を描ける人と
曲を作れる人が
すごくうらやましい

そう思いながら、
小説を書いたり
詩を書いたりしてあがいている

・・・・・・人に見せられるほどのものではないのが難点




○2次創作リスト

「ロミオとシンデレラ」全43話 原曲:doriko様 ジャンル:純愛もの 分量:約160ページ

※「on stage」全1話 原曲:なし ジャンル:初コンサートの初音ミク 分量:約20ページ弱

「ACUTE」全11話 原曲:黒うさ様 ジャンル:愛憎劇 分量:約50ページ

「Japanese Ninja No.1」全26話 原曲:デッドボールP様 ジャンル:変態どもが暴れ回るコメディ 分量:約250ページ

「ReAct」全14話 原曲:黒うさ様 ジャンル:愛憎劇(「ACUTE」の続編) 分量:約120ページ強

「神様なんていない僕らの」全3話 原曲:Polyphonic Branch様 ジャンル:青春を懐かしむ話(?) 分量:約30ページ

「茜コントラスト」全14話 原曲:doriko様 ジャンル:純愛もの 分量:約50ページ強

※「39」全1話 原曲:sasakure.UK×DECO*27様 ジャンル:「on stage」の焼き直し 分量:約20ページ弱

「焔姫」全48話 原曲:仕事してP様 ジャンル:都市国家のお姫様と吟遊詩人の物語 分量:約310ページ強

「Alone」全7話 原曲:doriko様 ジャンル:悲劇 分量:約40ページ強

※「焔姫2 プロット」全1話 原曲:仕事してP様? ジャンル:都市国家のその後(プロットのみ) 分量:約50ページ弱

「メモリエラ」全10話 原曲:yuukiss様 ジャンル:悲劇 分量:約100ページ

「Sol-2413」全6話(全3回) 原曲:ゆうゆ様 ジャンル:SF 分量:約30ページ

「ゴーストルール」全9話(全5回) 原曲:DECO*27様 ジャンル:不思議な女の子と出会うやさぐれ少年(?) 分量:約60ページ

「私とジュリエット」全13話 原曲:doriko様 ジャンル:「ロミオとシンデレラ」の続編 分量:90ページ弱

「水箱」全8話 原曲:Polyphonic Branch様 ジャンル:とある女性の過酷な日常 分量:約70ページ

「イチオシ独立戦争」全10話 原曲:ゆうゆ様 ジャンル:戦争もの(子ども兵) 分量:約60ページ

「アイマイ独立宣言」全19話 原曲:ゆうゆ様 ジャンル:「イチオシ独立戦争」の続編 分量:約160ページ強

「針降る都市のモノクロ少女」全17話(全20回) 原曲:TaKU.k様 ジャンル:復讐譚 分量:約170ページ


※「※」は番外になります。
※分量はそれぞれおまけを除いた上での文庫本換算です。作品によってかなり文章密度やおまけの分量にばらつきがあるため、ページ数のわりに長い・短い等があります。





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普段PCメールは使ってないので、返事は遅くなるかもしれません。

around_thunder@hotmail.co.jp

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