はっと、私は目覚めた。……ここは…
「一本道……?」
私は剣を片手によろよろと立ち上がった。
何処までも続く一本道。それは何処に繋がっているのかさえ分からない。
突然、頭の中に声が響いた。鼓膜からではない、脳に直接響いてくる声。
『さあ……メイコ。君にどんな事ができるのかな?』
「……私……は……」
「私」が、「私自身」ではなくなった気がした。
手の甲に、赤いスペードが浮かび上がった。…それが見えた。
私が、狂う。
「あああああああああ!」
「私であるモノ」は狂い、剣を振りかざした。
それは森の兎を、動物を、薔薇を、全ての物を切って倒していく。
やめて……やめてっ!
私は叫ぶ。けれどどうやら「私であるモノ」には届いていないらしい。
それは暴走して、私の姿を、剣を紅く染め上げていった。
「っ!」
私が戻って、驚愕した。
服も肌も髪も剣も、全てが紅く染まっている。真っ赤。そう、本当に真っ赤。
私は自分で自分の体を抱きしめた。そうしないと、「私」が壊れる気がして怖い。
体が震えているのがよく分かる。
そしてまた、私の頭にあの声が響いた。
『残念。君はアリスじゃなかったらしい』
「え……?」
いつの間にか私の前に鉄格子があらわれていた。それはまるで牢屋の様な……。
周りを見渡す。鉄格子の外に一本道が見えた。その道は……紅く染まっている。
「っ!!」
一気に私の心を恐怖が襲った。
「出してよ!ねえ!此処から出しなさいよぉお!」
自分でも分からない。何故こんなに混乱しているのかが分からない。私は鉄格子に手を掛けて、ガシャガシャと揺らした。
「いやあああああああ!」
―一番目アリスは勇ましく
剣を片手に、不思議の国。
いろんなものを斬り捨てて、
真っ赤な道を敷いていった。
そんなアリスは、森の奥。
罪人の様に閉じ込められて。
森に出来た道以外に、
彼女の生を知る術はなし。―
「さあ、次のアリスは……」
―END―
人柱アリス *プロローグ
人柱アリス始めました。
応援してくれれば嬉しいです。
悪ノと両立してやっていくので、更新が遅れるかもしれませんが
どうか気長に待ってやってください。
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煙たい倫理は置いといて
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