#9「光と影」
アイツがグミに想いを伝えた
グミがアイツに想いを伝えた
結果……二人は両想いだった……
嬉しさのあまり、泣いてしまったグミを優しく抱きしめるアイツが、私は憎らしい
あれからどれだけ時間がたっただろうか……外はだいぶ暗くなってきた……
天気が悪いこともあるが、そろそろ部屋の中は、電気をつけないと見えなくなっていく
「グミさん?もう大丈夫?」
「うん、ありがとうレン君」
二人は床に座ったまま、お互いにぎゅっと抱き合っている
暗くても、シルエットだけは見える
薄暗い部室の雰囲気が助けとなり、時々、二人の顔が近くなる時がある…………
……直接、見えなくてよかったかもしれない
もし、それが見えていたら、私は飛び出していってしまっている
「グミさんの唇は柔らかいね」
「や、やめて!は、はずかしい!!」
でも、結局、言葉は聞こえる……私は思わず耳をふさぐ
「はは、ごめん。……暗くなってきたし、そろそろ帰ろうか」
アイツが部屋の電気をパチンとつける
「わ、まぶしい」
グミが目をぎゅっと閉じる
そこへすかさず、グミの頬にちゅとするアイツ
……アイツ、あんなに積極的だったなんて、一緒に生きてきて初めて知った事実
頬を赤く染めるグミは、幸せそうに微笑んだ
「あ、見て、グミさん。雪、降ってるよ」
窓の近くにいったアイツが外を見て、指をさした
「わあ、ほんと……綺麗。私たちを祝福してくれているのかな?」
グミのテンションが高い
……私には空が泣いているように見えてしまう
「外、寒いだろうなぁ」
アイツがぽつりと言ったその言葉をきいた、グミがポンと手を合わせて、何かを思い出したように自分のカバンのところにいき、何かを探す
「あった!はい、これ、レン君、使って?」
そういって、グミが差し出したものを見た私は、体から力が抜ける
「え?【手袋?】もらっていいいの?」
「……うん」
「もしかして、これもグミさんがつくったの?」
そう、それは……昨日……
【この手袋、出来たら、リンちゃんにあげるね?】
そういって、グミが作っていたものだった……
な、なんで……?
「う、うん……そうなんだけど……えと、リンちゃんには、それ私からだって言わないでね?」
え?……グミ?
「え?なんで、リンの名前が出てくるの?」
当然、アイツは不思議そうにする
「えと……そ、それは……そ、そう!あとでリンちゃんにも、同じものあげて、びっくりさせてたいから!」
「へぇ、グミさんは、リンにもつくってやってるのか。わかったよ」
はははと笑うアイツと、苦笑いのグミ……
グミ……なんで……
私の目からとめどなくこぼれるしずく……
好きな人を取られ……大事な友人にも嘘をつかれ……
私の中で【愛情】と【友情】、両方の砕け散った欠片が、涙となってあふれる
それは二人が部室を去った後も、しばらく止まることはなかった
コメント1
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しるる
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ご意見・ご感想
イズミ草
ご意見・ご感想
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(複雑すぎて言葉になりません)
2014/01/14 20:38:59
しるる
恋愛>友情 的なことを、グミちゃんは選んじゃった感
財布といい、手袋といい、どうでもよさそうなアイテムを使うのがミソw
今作はフラグをまき散らす練習でもあるわけでw
2014/01/14 21:16:38