午後11時くらい。少し眠れなかった僕は、なんとなくリビングに行く事にした。リビングに行くと、
「・・・はぁ」
窓から空を見上げて、ため息をつくマスターがいた。
おかしいな、もう寝ているはずなのに・・・。僕は前回の気まずさなど無かったかのように声をかける。
「・・・どうかしたんですか?マスター」
声をかける際、少し躊躇ってしまったことは仕方ない。言いながらマスターの隣に歩み寄る。
「・・・・あ、カイト」
ようやくというかやっとというか、マスターは小さい声で呟いて僕を見た。
「・・・どうしたんですか?マスター」
同じ台詞を繰り返す。・・・だってまだ返事聞いてないし。
「・・・ちょっと眠れなくて」
マスターは再び夜空へ視線を戻し、ぽつんと呟く。
「・・・僕もです」
ほんとのことなので何も心苦しくは無い。ゆえに、この切なさも気のせいだ。・・・多分、だけど。
「・・・カイトにも眠れない時って、あるんだ?」
しばらくして呟かれた言葉に僕は、
「・・・そりゃ僕だって、色々と考えたいこととかありますし・・・ところで、マスターはなんで理科の教科書を手に持ってるんです?」
と、微妙に話題をそらす。
「ん、ああ、これ?えーとね、今ちょうど天文学のとこなんだよね」
「天文学?・・・星とか宇宙とかそんなのですか」
僕は曖昧な記憶から、ぼやけた知識を呟く。
「お、正解。なかなかやるじゃん、カイトにしては」
その時にして、やっとマスターは笑った。・・・なんとなく星が瞬く夜空に目を向けて僕は言った。
「・・・僕にだって、大抵の知識はインストールされてるからこれぐらい誰だって分かりますよ」
こういうときに限ってこういう文句みたいな言葉を言ってしまうのだろう。まるで素直になりきれない・・・・子どものような・・・。
「・・・へー。それじゃ、問題。今、冬だよね。冬に見える星座で代表的なものはオリオン座だよね。この星座は夜中に南の空に見えるんだけど、じゃあ、反対の真昼に南の空に見える星座ってなーんだ?」
「・・・・それは」
オリオン座でしょう、と言いかけて止まる。・・・・そういえば。
「・・・・さそり座、ですか?」
「・・・・おや、何で分かったの?勉強してないはずだよね?」
「・・・人の話聞いてないんですか、貴方は」
少し怒ったように僕が言うと、マスターは笑った。
「別に・・・、ただ意外なだけ」
そう言うと、僕の顔をじっと見た。
「私、この天文学習うまで、夜が、ほんの少し怖くて、夜なんて無ければいいと思ったんだけど・・・・。習ってからは、あ、夜は星座がいるんだってそう思えて。ほんの少し嬉しくなったっていうか」
そこで視線を夜空に移す。
「・・・うん、それだけ」
僕は何と言えばいいのか分からなかったので正直に感想を言う事にした。
「それは・・・とってもいいと思いますよ」
「・・・・そっかなー。でも、そう言ってくれると嬉しいな、ありがと」
「・・・・いえ」
マスターの笑顔を真正面から見れなかった僕は、
「・・・おやすみなさい、マスター」
とだけ言って自室に戻る事にした。
「・・・待って、カイト」
呼び止められ、振り返る。
「・・・この頃、・・・・」
「・・・?」
「・・・ううん、なんでもない。おやすみ、カイト」
慌しくそう言うと、マスターは僕より早く自分の部屋へ行ってしまった。
・・・・なんだったのだろう、今の。
僕は首をひねりながら自室へと戻った。
空は様々な星達で彩られていた。
拝啓 夜空と星と睡眠と月と繋がりと夜と君と
こんばんは、勉強の合間にこっそり投稿するもごもご犬です。
・・・こっそり、ではないんだけど。
それはともかくとして、今回は、えーと主に夜空に瞬く星達と星座の話ですw
これ書いてて改めて夜が好きになったというか。・・・でも基本昼が一番好きなんですけどね(笑
あ、でも夕方の夕日も格別だしかといってあの昼下がりのふとした普段見慣れたはずの景色に見とれたり・・・思い返せばあの思い出以外全部良かったな・・・。
さて、そろそろ時間も近づいていることなので失礼しますw
この後も、ぶっちゃけ勉強です、でも頑張りますよ、多分(蹴
それではまた会える日まで、ですよーw
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