眠れなくて散歩中、お仲間発見かと思いきや何だか妙な会話を聞いてしまった気がする。そして、又一人。

「立ち聞き?それとも覗き?」
「…随分狡い人みたいね、貴方。もう少しフェアに勝負しようって気は無い訳?
 さっきの、まるで脅迫じゃない。あたしはああ言うの嫌い。」
「嫌いで結構。1億円はそんだけ魅力って事で。」

赤い髪にこの物言い、スタッフでは無いな…参加者か。元々人目に付く場所でイチャイチャしていてそれを偶然見てしまったのに覗き呼ばわり。かなり納得が行かないが…。

「理解不能…お互いにな。」
「待ちなさいよ!」

面倒な女だな…こんな事してても寒いし時間の無駄だし何より得も無い。

「おい!うるさいな!人の部屋の前でケンカすんなよ!撃ち殺すぞ!」
「何ですって?!」
「あーもー…撃ち殺すとか更に理解不能…うっざ…。」
「ゲルニカが起きた…騒がしいぞ。」
「ちょっと!うるさい!」
「静かにして貰えません…?眠いんで…。」
「騒動か?」

何故一斉に出て来る…と言うか誰も寝てなかったのか?

「あんたのせいよ、この覗き男。あたしは散歩してただけですから。」
「覗き?!うっわ最低!」
「それは犯罪だ。」
「撃っちゃおうか?モデルガンだけど。」
「物騒…。」
「一気に喋るな!うざい!」

修学旅行じゃあるまいし何なんだこいつ等、そもそも何でこうなったんだ?この赤い髪の女が…いや、その前、金髪…よりも前…。

「あ…あの~…。」
「お前がイチャイチャしてたのが原因だ!朝吹浬音!」
「きゃっ?!」
「ちょっと!女の子に乱暴止めなさいよ!」
「その…ごめんなさい!えっと…眠れなくて…は、話をしてて…それで…その…。」

朝吹浬音は真っ赤になって俯いて口篭ってしまった。流石に赤裸々に語るには抵抗があったんだろう、しかしこのままじゃ俺が悪者な気がするし…仕方無いか。

「理戒フノオ、煩くしてスイマセンでした。」
「え…?」
「名前、こっちだけ知ってるのも不公平だろ?」
「あ、えと、朝吹浬音です!宜しくお願いします!」
「あたしは焔音メオよ。」
「雪乃音季琳です…。皆さん参加者って事で?」
「縁音ヨナ、この子はゲルニカだ。」
「俺はナチ、飾音ナチって言います。」
「自己紹介なの?…ま、良いけど…私は新音ルイ。」
「福音ハレル。」

8人が名乗り終わった時、見計らった様に船内のスピーカーから甲高い声が響いた。

「カカカカカカッ!よーぉ!自己紹介は済んだかい?お前等仲良しだなぁ!そろそろ到着だぜぇー?!
 ゲーム会場にな!!心してけよー?!」

あまりのハイテンションに全員呆然となった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-20.苧環-

マイペース8名

閲覧数:168

投稿日:2010/07/26 02:16:08

文字数:1,106文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • curoe@耶珠也(藤木)

    curoe@耶珠也(藤木)

    ご意見・ご感想

    メインキャストが出そろいましたね!!
    そして最後の空気の読めないアナウンス・・・
    誰が言ったのか一発で分かった自分は負け組ですね、わかります

    2010/07/26 17:09:34

    • 安酉鵺

      安酉鵺

      ニヤリ…( ̄∀)且~~

      2010/07/26 17:15:30

ブクマつながり

もっと見る

クリップボードにコピーしました