もう戻れないってことを知っていた
出力されたレシートが千切れていて
空っぽになったままの広大な草原
夢にまで見た青い馬はもういない
ちっぽけな海みたいに青かった
清濁併せても呑み込めないくらいの
知らないうちにそばで寄り添っては
何も言わないのに家族になったんだ
輝きを忘れないなんて恥ずかしい台詞
きっと君は飽きるほど浴びるほどに
飲み込めなかったのは何より君だろ?
止まったままの精巧な時計が待ってる
誇らしげな目をするなよ
ありがとうって言いたくなる
もう戻せないってことを弁えた
入力されるデータが途切れていて
綺麗に掃除された小さな砦
明日を夢見た青い馬はもう鳴かない
ちっぽけな地球(ほし)みたいに青かった
精魂込めても乗りこなせないくらいの
気付かぬうちにそこで横たわっては
誰も聞かないのに自分になったんだ
あの頃を忘れないなんて陳腐な台詞
きっと君は泣かすほど流すほどに
抱きしめたかったのは何より君だろ?
止まらぬままの不器用な時間が去ってく
威張っている目をするなよ
また会おうって言えなくなる
もがいて喚いてのたうち回って
それが出来たことだって宝物で
息の根が止まるまで走り続けて
仰向けになって最後は空に溶けた
アルバムなんか見ないって決めて
部屋中の写真を全部燃やしたのが
意味が無いくらい思い出せるんだ
あぁ今一番記憶喪失になりたいよ
もう戻りたいってことを閉じ込めた
上書きされるファイルは脆すぎたね
面影の無い大地には何が咲く?
草を食む当てもなく伸び続けていく
ちっぽけな僕みたいに青かった
人生なんてろくに知らず底の浅い
それでもいつしか目を惹かれては
どことも告げずに去って行ったんだ
あの時どうすればなんて安易な台詞
きっと君は笑うほどに諭すほどに
望んでいたかったのは誰より君だろ?
遂げないままの優しい世界が泣いてる
まだ戦える目をするなよ
もういないって言えなくなる
今日は良い天気なんだ
6月にしては空が青い
まるで君みたいに青い
今の君みたいに青い
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