*ますたー
「~♪」
ついにこの日が来た!ボカロPとなる時が!俺はアルバイトで貯めてたお金を奮発して買ったVOCALOIDたちを持って家に帰るところだ。
「ま~ずは誰に歌ってもらおうかな~♪」
ウキウキしながら帰っている。…までは良かった。
「だ~れ…!?」
俺はこの時下も前も見ず青い空を見ていたので、「マンホール工事中!」と書かれたカラーコーンに激突!そのままマンホールゾーンに落下!
…ヤバい、このままボカロPの人生を送らないまま、奮発して買った優秀なVOCALOIDたちを使わないまま、終わっちゃうのか?それだけは御免だ!
だが、既に時遅し。そのまま落下していった。そして五分は経った。
「…このマンホール長くね?」
ツッコミを入れながら落下して行くと、一本の神々しい光がっ!そのまま光の中に突っ込むことにした。
*KAITO
俺たちの住むマンション「ボーカロン」
そこに出張から帰ってきたますたーが段差で転んで一時間位経った。まだ起きない。悪いところ打ったのかな…ますます心配になる。
「ますたー…」
すると、ますたーの目が開いた。後ろで見ていた皆が涙する。
「…あれ、ここどこ…?」
ますたーの記憶が少しとんでるのか、どこかを尋ねてきた。
「…うぉ!?KAITOやミクが、どうしてここに!?」
???ますたー、どうしちゃったの!?心配そうに声をかける。
「ますたーの様子がおかしい…」
レンもおかしいと思ってるみたい。ここはあれの出番だな。
「ますたー、ちょっと来て。」
ますたーの手を引っ張って、リビングに連れていった。
*初音ミク
始まってしまった。お兄ちゃんお得意の取り調べが。
「ますたー、出張行く前に俺たちと最後に食べた夜ご飯、何か覚えてる?」
「…牛丼。」
「違うよますたー。海鮮丼だよ。」
その後もお兄ちゃんの取り調べが続いた。
「…お兄ちゃん、ますたーの症状は?」
私が聞くと、お兄ちゃんは少し渋い顔をして言い切った。
「完全に記憶がとんでる。」
「そんなっ…KAITO、なんとか記憶を戻せない?」
お姉ちゃんがお兄ちゃんに頼む。
「…仕方ない、このマシーンを使って記憶を呼び戻そう。」
あ、お兄ちゃんお得意の機械で何とかする作戦が出てきた。
「ますたー、ちょっと頭貸してねっと。」
お兄ちゃんはますたーの頭に何かかぶせて、お兄ちゃんも頭にかぶる。
「さぁ、ますたーのさまよえる記憶よ、今!ますたーの頭の中に戻ってこーい!すうぃってぃ~オーン!」
(((((KAITOさん…)))))
そんなこんなでスイッチを押したお兄ちゃん。すると、ますたーとお兄ちゃんのかぶってた物が激しく光る!
「「おああああああああああ!?!」」
ますたーとお兄ちゃんに激しい電流が走る。ますたーたちは一体どうなっちゃうの…!?
*ますたー
「…?」
目が覚めると、目の前には…自分がいた。
「…は?」
「…へ?」
自分の体から何故かKAITOの声が出てる。ってことは…つまりだよ。
((い、入れ変わっちゃったぁぁ!?))
KAITOと俺は膝から落ちた。なんてこった、色々と世界観がぐちゃぐちゃに…!
「かかかKAITO、何とかね、そう!何とか戻せない!?」
「めーちゃん、何とかしてええ!」
「無理無理無理!私機械一ミリもわかんないからぁ!」
「あああ、しゃーない!ちょっと待っててますたぁぁ!」
…数分後、何とか元に戻った。
「…機会でもますたーの記憶戻りませんでしたね。」
「じゃあどーやって記憶を戻せばいいのぉ…」
ルカもリンも頬杖をついて悩む。KAITOなんか部屋の隅っこで丸まってた。
「ねぇ、私とちょっと前に出かけなかった?」
ミクに聞かれた。どこか、どこか…
(!、そういえば!)
俺は三年前、絵を描くことが大好きで、VOCALOIDと俺が一緒に暮らしてるイラストや出かけてるイラストとかを描いていたっけ…ってことは…!
「…遊園地だっけ?ほら、三年前の。」
恐る恐る聞いてみると、ミクがぱあぁっと笑顔で頷いた。
「うん!そうだよ!ますたーが出張でいなくなっちゃう前にいった、最後の思い出だよ!」
出張?どういうことだ?俺は思い出す。
…あぁ、そういうことか。俺がちょうどその年で絵を描くのがスランプになったんだ。つまり、これは俺が途中で手放した日常生活の続きってことか。…マンホールから落ちた時に神様が転移っぽいことしてくれたんだな。感謝。
「みんな~!ますたーの記憶戻ったよ~!」
「「ホント!?」」
「もうっ、心配したんだからっ!」
「終わり良ければ総て良しですね!」
すると、丸まってたKAITOが抱き着いてきた。
「良かったぁ!!ますたーが戻って、本当に良かったぁ!」
めっちゃ泣いてた。そして苦しい!俺は数分間の抱き着きに耐えるのであった。
次回予告
第二話 ますたーとアイスと騒動
投稿日時 未定
お楽しみに!!
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