秋の雨が いつもより少し街を冷やす
君はまた お気に入りのカーキ色ね
カクテルとビールからの あたたかな綻び
笑い声が ほんのり和らぐ
次の春の 新しい日々の描き方を
固めては また溶かして繰り返し
もう少し時間が要る 私はそっとつぶやく
それよりもさ 昨日のあの曲…
流れる 柔らかな刻
それじゃまたね 君は囁く
手を振る 君の瞳の中の 私に照る灯火は 消えていた
薄曇りの空が ビルの隙間から
遠回りして あの駅を避ける
私の君への想い 本物だったのにねと
こんな明日は 思い描けるの?
ゆっくり 繰り返してた
心の波は 急に去って
あの時 わずかな揺らぎを 少しでもさ 掴めたら
私の真ん中に生まれた ひとかけらの過ち
触れる度 歪に削れてきて
今は針のように 突き刺さる
薄らぐ 君のぬくもり
灯火は 消えてしまったの
絞り出す 枯れかけの声も 秋の雨に 流されて
消えて行く
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