いつも通りの帰り道
日常に飽きかけていた私の目の前に
突然そいつは現れた
下校時いつも通る用水路から声がして
覗きこんでみると
冷蔵庫が頬を染めながら溺れてる
なにも見なかった事にしたい
今すぐこの場からダッシュで逃げたい
しかしそいつのかまってちゃんオーラに
ギブして嫌嫌話しかける

「どうかしたんですか?」

『どうもしねぇし!別に溺れてるわけじゃねぇからな!助けてほしいとかこれっぽっちも思ってねぇし!』

一瞬にして私のめんどくさいゲージMAX
すぐに携帯とりだして業者を呼んで引き上げる
『なにしてんだよ別に頼んでねぇだろ!』
はいはいわかったから黙ってくれ
処分方法もわからないのでとりあえずその場に放置する
しかしそれから私の非日常はスタートする

夏の暑い日には冷たいアイスが下校途中に待っていて
秋の肌寒い日には暖かい焼きいもが下校途中に待っていて
冬の寒い日には熱々おでんが下校途中に待っていて
春の暖かい日には美味しい紅茶が下校途中に待っていた

そんなこんなで1年が過ぎまた夏の暑い日がきた
いつも通りの帰り道、今日もそいつはアイスを用意して待っていた
「明日は台風くるらしいから学校休みかも」
『そうか、なら明日はお前の顔見なくていいと思うと嬉しいぜ』
無言で下段の蹴りいれる
そして次の日の朝は晴れていたのに
午後になって台風が上陸した
すごい風と激しい雨
なかなか前に進めなくて傘はすでに役立たず
なんとか用水路の近くまで歩いてきて
家はもうすぐあと少し
そのとき突然の突風でバランス崩して用水路側へ倒れる
倒れる先には轟音たててる水の凶器
もうだめだと目をつむる
しかし思っていた感触とは違うかたいものに当たり押し戻される
直後にドボンとなにかが落ちる音がした。。

いつも通りの帰り道
日常のなかにそいつはもういない
やっぱりあのとき助けてくれたのは
冷蔵庫だったのかな?
でもきっとお礼なんて言うと
『お前のためじゃねぇし!』って
頬を染めながら照れるんだろうな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

〈ツンデレ冷蔵庫が溺れてる〉



つくってるときに友達に家の裏でマンボウが死んでるPさんの曲に似てるねって言われてその人のを聞いてみたら確かに感じが似ていましたw

閲覧数:110

投稿日:2012/03/24 16:03:51

文字数:850文字

カテゴリ:歌詞

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