●雑貨とカフェと、スタジオギャラリー

「よーし、これで、だいたいオッケー」
テトさんは手描きのポップ(商品の説明)を棚の上にかかげると、手をポンポン、とはたいた。
「もし、全部売れなかったらどうしましょうか」
モモちゃんが聞く。
「平気平気、この雑貨はシーズンものじゃないから。新しいお店で売れるよ」
テトさんは答えた。

テトさんたちの「カフェ・つんでれ」が、こんど新しくリニューアルすることになった。
いままであった場所の、隣のお店が空き家になることになり、そこに移動する。
広さは、いまの2倍くらいになるようだ。
その前に、在庫商品のセールを行う。その準備をみんなで今、やっている。

新しいスペースには、雑貨売り場と、カフェのほかに、「スタジオ」ができる。
そこは、教室とギャラリーに使う。
テトさんの作品を定期的に展示していた、画廊の“サンセット・ギャラリー”の小型版がはいる予定なのだ。


●スタジオ・つんでれが誕生

「忙しくなりますね」
モモちゃんが言う。
「そうだね。“スタジオ・つんでれ”では、いろんな教室を開くからね」
テトさんが、答える。

「どんな教室を開くの?」
セールの準備を手伝っていた、テッドさんが聞いた。
「ええとね。アロマセラピー教室。これは、ハクさんという先生を呼んでやります。それと、」

テトさんは、ゆびおり数えて言った。
「ガールズのための写真教室。これはマコさんとモモちゃん、あとナチュラルハウスのキャシー先生のみんなで一緒に教えてもらうの」
「へえ、頑張ってね」
テッドさんが励まして、モモちゃんは照れて笑った。


●“つんでれパック”が登場

「新しいスタジオはね、“サンセット・ギャラリー”を運営する、ユウヒ化成のフランチャイズなんだ」
テトさんは言った。
「その縁もあって、いま、ユウヒ化成から新しい製品を、企画してくれてるのよ」

「どんな製品?」
テッドさんたちがたずねる。
「“つんでれ・パック”っていうのよ。私の作るクラフトのドールの型紙と材料、作り方をキットにしたものなの」

「そうかぁ、楽しみだね、どんな内容なの?」
「中身やアイデアは、これからきめるんだ」とテトさん。

テッドさんがひらめいた。
「つんでれ...じゃ、パッケージの見た目は難しそうで、開いたら、あ、とっても簡単!てのはどう?」
「それじゃ、誰も買わないだろうが」
テトさんはあきれて言った。

「テッド兄きの笑顔でも、パッケージにするか」
「それ、いいですね。こわいもの見たさで、みんな買って開くかもです」
「アッハハハ」
モモちゃんがウケて、テトさんはよろこんだ。

テッドさんは言った。
「アハハハ...。そりゃい...。爽やかに笑うなよ」|||(-_-;)||||||

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

玩具屋カイくんの販売日誌 (75) つんでれが、リニューアル

手作り商品はみんなで作って、それを贈り物にしたり、口コミで生徒さんが増えて、マスコミにはない楽しさがあるみたいですよ。

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投稿日:2010/09/18 14:48:32

文字数:1,160文字

カテゴリ:小説

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