夜道、サンダルの音と影
振り返ると少女が笑ってる
「目が覚めたんだ。帰らなくていいの?」
頭の中の波が引いて涼しい海岸の縞模様

元来た道すら分からずに街灯がケタケタ笑ってる
コップの中の過去は乾いた地面に吸い込まれたみたいだ

目が合って君は言う
「自我の境界にご注意を」

(サビ)
立ち止まって壊した水たまり
苦し紛れで溢(こぼ)した嘘と自分
振りかざしたその手の
反対側のドアが今開く

明滅しながら折れた信号
必死に拾い集める見えないもの
「君が求めたその先の
正面の光は今消えます」





星の、標識に意味はなく
またあの少女は笑っている
「目が覚めたのに、生きなくていいの?」
空っぽの頭上の月は目を細めゆらゆら揺れる陽炎

逆さまになった窓ガラスに映るヒビ割れた心の欠片
路地裏の契約は影と結びついたみたいだ

悲しそうに嬉しそうな声で言う
「白線の一歩にさぁ拍手を」

(サビ)
振り絞った声で黒と駆ける
追いつけないもうここに無い記憶(もの)
波紋の広がる深い底の
反対側のドアが今開く

影を帯びる通行止めの看板
ガラクタの山でもがきながら
「あなたがその屑の中に
私を捨てたというのに」

(裏)
分かったんだこの世界には喜びなんて
少なくとも僕のとこにはないんだって
「生きてれば良い事ある」って誰かが言うけど
なら死んでやらないその代わり
せめてこの記憶(ゴミ)くらい剥がしてよ

その約束すらもえぐれた手のひらの中
外れた歯車に神経を繋いだ共鳴していくビルの音叉(おんさ)
平行線の光が射し込む最低最速の滑車が動く


(大サビ)
盗ってないのに返せと叫ぶ
傾向の赤いランプは大渋滞
光を背にした君は言う
「なら私をここで殺してみる?」

手に映る透明のナイフと目が合う
全てがひっくり返るような三日月
割れた破片でできた踏切は
いつまでも閉じ切ったままで


五感に突き刺さった針を抜いて
後悔か達成かそれとも逃避か
思考が廻(めぐ)ったその先の
反対側のドアは今閉まる

「あなたが生きたいから私はいるの」
「壊したらまたあなたは私を生むでしょう?」
少女は耳元で囁く
「自我の境界にご注意を」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Memory World

今回は「記憶」を失った少年の世界の話です。
この『ロストワールド』シリーズも、第二弾となります。

曲をつけてくださる方、絵をつけてくださる方大募集です。
どうぞお気軽にご連絡ください。
また、歌詞についての意見や、分からない事があったら
是非聞いてください。
よろしくお願いします。

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投稿日:2012/09/23 16:16:36

文字数:917文字

カテゴリ:歌詞

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