「メイコ姉、誕生日おめでとう」




2004年11月05日

私は、日本で初めての歌を歌うために、作られたアンドロイド[VOCALOID]として、生まれた。

それからも、日本では、数々のVOCALOIDが生まれてきた。
カイトに、ミク、リン・レン、がくぽ、ルカにグミ……。

海外、イギリスやスウェーデンででも、同じように、VOCALOIDが生まれていた。

なかでも、イギリスのレオンさん、ローラさん、ミリアムさんは、私よりも先に生まれた先輩だった。

そして、この5年間、みんなと一緒に、数えきれないくらいの歌を歌わせてもらった。
ロックやポップ、和風曲や民謡調の曲、クラシックさえも…そして、時々、顔面赤裸々になりそうな曲とか、グロテスクな曲とか……。
でも…ココロが温まる曲が多かったかもしれない……、
悲しい時に、励ましてくれたり、逆に同調してくれそうなやさしい曲だったかもしれない……。
まだ、分からない明日へ突き進む勇気をくれる曲だったかもしれない……。

それは、きっと、みんなが知っていると思う。

けど、みんなの答えはバラバラだ……。

人の数だけ、答があるのだから、同じ曲でも、全く違う印象を受けるかもしれないしね……。



もう……今日は、朝からあっちこっちに行きまくりだった。
カラオケにも行ったし…、久々にみんなで買い物にも行った。
そして、何故か…かき氷屋にも行った(ていうか、何でかき氷屋があるの???)。

とにかく、楽しかった。
けど……クライマックスはここからだった。




ピーンポーン
「あっ、誰だ来た。」
カイトがそう言った。
丁度、夕食の準備をしているころだった。
「長旅御苦労さま。」
カイトが、外にいる誰かにそう言った……。
「長旅……?  !まさか!!!」
「さすがメイコだな~ぁ。」
やっぱりだ、レオンさん、ローラさん、ミリアムさん、プリマ、そして、アン、ソニカ…。
VOCALOIDが、14人全員そろった瞬間だった。
ローラさんが、私のほうにきて――
「メイコちゃん、誕生日おめでとう。」
そう囁いてくれた。
「ありがとう………ローラさん。」
……ダメだ…私……今日は違う……。

涙が、止まらない………。
「あれ…メイコ先輩…泣いてるんですか…?」
じーっと、こっちを窺っているプリマに、そう言われて、さらにうつむいてしまった。
コツコツコツコツコツ――
足音が止まってから―――
「作戦大成功!!」
「えっ!?」
カイトが、私の肩に乗っかっていた。
「実は、レオン兄さんには、僕が頼んだんだよね~。ねっ☆レオン兄さん。」
レオンさんが、焦りながら、
「えっ!…まぁ、そうだな……。」
と笑ってごまかしていた。
「ふっ、カイトもやっぱり素直なのね?」
「えっ?」
今度は、私の番だ。
「頼んだけれど、その前から来ようとしてたんじゃないのかしら?レオンさん達は、」
笑みを浮かべながら、言ってやった。
「……カイト………。」
「なんですか……、レオンさん………。」
「交通費、カイトが持ってくれな☆5千ドル(約50万円)よろしく。」
「ちょっ!勘弁してよ!!!!」
みんなが笑った。まさか、海外からの交通費を乗っけられるとか、最高のジョークだし。

それから、みんなでグミとルカとミク特製のバースデーケーキを頬張った。さすがに、ルカがついていたからかは分からないが……とって

もおいしかった。
そして、ひと段落したところで………。

プルルルル プルルルル
私の携帯が鳴った。
「もしもし…」
『もしもし、誕生日おめでとう、メイコ。』
「マスター!」
みんなが、(すでにこっちを向いていたけどさらに、)こっちを向いて、どんな内容なのかを心待ちにしている。
『今日限定の特別ステージはできたんだが……』
「……どうかしたの?」
『いや……実はな……、『オンフック』にしてくれないか?みんなに聞いてほしいんだ。』
「えっ? いいわよ。」
一度、耳から携帯を話して、オンフックボタンを押した。
『どうせ、みんなが集まっているなら…今言うのが最適だと思ったのでな……。』
「マスター。どうかしたの?」
ミクが、心配そうに聞く。
それに対し、リン・レンは、相変わらずの興味心身だ。

『実は……今年の12月に、新しいVOCALOIDが誕生するみたいだ。名前は[miki] SF-A2 mikiらしい。』

一瞬、その場の空気が固まった。
そして―――

「「「「「「「「「「「「「やった~~~!!!!!」」」」」」」」」」」」」

歓声が沸き起こった。
「今度こそ、かわいい妹だといいな~ぁ。」
『残念ながら、年上みたいだ』
「えぇ~~~っ、そりゃないでしょうよ~マスター」
『まぁ、待つことだなw』
「ちぇーっw」
また、願いがかなわなかったリンが、苦笑しながらマスターを話してる。
「いったいどんな子なんだろうなぁ?」
「もしかすると、ミクちゃんと同じくらいじゃない?」
「わ、私と……!?やば、ライバル出現??www」
「それはないってばwwww」
ちゃっかりミクがライバル意識を燃やしてたり…。
「相変わらず、メイコのとこ(日本)は、大人数だな。」
「そんなこと言われても……どうしようもないじゃない。」
「俺も日本に引っ越そ――」
「「「「それは、ダメ!!!」」」」
って、レオンさんがあっさり4人に引き留められたり……。

『っていう、嬉しいニュースを聞いたところで………ライブ行っちゃいますか!!??』
みんなが、私に注目してくれた。
そして、カイトが言う。
「答えはもちろん~?」

『YES WE VOCALOID CONTINUES SINGING!!!』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

【MEIKO誕生祭2009】 VOCALOIDが歌う意味 第五話 私たちは、歌い続ける。

初の自作小説完結!!

ラストはわざと遅刻した霧田優希です。
当日のことは、ちょっと経ってから、書くものじゃないですか。
現に、小説の中ではちょうど今がそれくらいです。(何をリアルタイム小説と言っておきながら……)

ところで、新型VOCALOIDの情報をここで出していいのか……。ちょっと不安です。しかも、こんな形で……、
けど、知ったからには、こう言うエンディングにしたかったんです。分かってください(泣)

で、結局最後に言いたいのは、『Happy birthday MEIKO』一日遅れは仕様だよ(これのみ)

これからも、皆さまのボカロライフが、良い形で続きますように………。

閲覧数:209

投稿日:2009/11/06 00:48:38

文字数:2,368文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました