高き御山に竜が居た
静寂に厭(あ)いて午睡に沈み
ふと気が付けば幾年月
なにやら下界が騒がしい
興味が湧いて覗いてみれば
麓に街が出来ていた

小さき人の子 無数に集い
何の祭りか 市が立ち
人の姿(かたち)を取って 竜
舞い降り 其処 此処 ひやかすが
銭も払わず売物つまみ
纏うた風が小物を浮かせ
凶なる魔物と厭われた

高き御山に棲まう竜
泉のほとりで竜笛奏で
ふと聴こえるは澄んだ声
竜に合わせて紡ぐ唄
木立の向こうを透かして見れば
人の娘が微笑んだ



竜の元へと娘は通う
笑い 歌って ふたりで過ごす
小さく穏やかな幸せが
ある日ぱたりと立ち消えた

娘の元に男が一人
魔物に憑かれているのだと
彼女の言など聞きもせず
娘を屋敷へ閉じ込めた

男は娘を娶ると言った
娘は拒むが逃げ出せず
想い捧げる相手を呼んだ
風よ震えて 届けておくれと

嵐が来るまで一呼吸
荒ぶる風雨が破った戸から
冷たい怒りの焔を纏い
超常の竜(かみ)が睨(ね)めつける

腕の一振りで屋根が飛び
雷(いかづち) 屋敷を震わせて
男を縊(くび)る竜の手を
駆け寄る娘の笑顔が止める

愛しい竜に抱きついて
満たされた声で娘は唄う
「私は貴方のものであり
貴方が私のものならば
他の全ては瑣末な事」

娘を抱いて竜が翔け
嵐の後に虹が出る
「あれは男の横恋慕
ふたりは実りの夫婦神」
誰ともなしに言い始め
山には竜の祠がたった

“ふたりは実りの夫婦神”
勝手なものよと竜が言う
腕に抱かれた娘は笑う
“他の全ては瑣末な事”

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

竜煩い -がくぽver-【歌詞】

個人的がくぽイメージ
 ・一人称「我」
 ・古風な喋り
で、和風舞台な歌が欲しいなーと思って考えた…筈だったんですが。
がくぽ(竜)喋ってない…だと…? どうしてこうなった。

途中の改行増やしたところは、なんとなく間奏っぽいイメージで。竜笛とコーラスが入ったらいいかなぁ、とか妄想です。

その後がやたら長い…。今回、メロディラインが浮かばなかったので、とりあえずストーリー優先で書いたらこんな事に。
万一「使ってみようかな」という方がおいででしたら、使いやすいようにアレンジしていただいて構いませんので~

閲覧数:343

投稿日:2010/07/14 23:56:25

文字数:655文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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