KAosの楽園 第1楽章-002

投稿日:2010/08/30 20:51:42 | 文字数:2,641文字 | 閲覧数:216 | カテゴリ:小説

ライセンス:

・ヤンデレ思考なKAITO×オリジナルマスター(♀)
・アンドロイド設定(『ロボット、機械』的な扱い・描写あり)
・ストーリー連載、ややシリアス寄り?

↓後書きっぽいもの





 * * * * *
ずっと兄さんのターン!(視点的な意味で)
…内容的には來果さんのターンだった気がしますorz

顔合わせと案内で一話終わってしまったのですが…もっと詰め込んだ方がいいんだろうか。
第1楽章の分 全体で1本のプロットになっているため、何処で区切ろうか毎回悩みます。

区切ると言えば、來果の台詞も何処で区切ろうか悩みますw 一気に喋りすぎですから。
しかもKAITOはあんまり話さないから、区切る時には地の文を入れるしかないという…。
私、地の文 苦手なんですってばー! …変なところで苦労してますorz

*****
ブログで進捗報告してます。各話やキャラ設定なんかについても語り散らしてます
『kaitoful-bubble』→ http://kaitoful-bubble.blog.so-net.ne.jp/

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2010/08/19 UP
2010/08/30 編集(冒頭から注意文を削除)

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TEXT
 

セラピー、と称して僕を預かるのだという人は、にこにこしていて、賑やかで、そして変な人だった。
アンドロイドの僕を気遣い、造られたプログラムを『感情』と認め、それでいて『人間』扱いをするわけでもない。ごく自然に、ありのままを認め、受け入れる――そんな風に、対等な目線に立ってくる人は初めてで。

そんな新鮮さと驚きと、その人の軽妙でテンポの良い話し方の所為か、いつのまにか僕は怖かったのを忘れていた。
――忘れていた、という事に気付いてさえ、いなかったんだ。



 * * * * *

【 KAosの楽園 第1楽章-002 】

 * * * * *



「……大体KAITOの場合、コンセプトに無理ありすぎ。あんなカオスな事になってる設定全部入れろとか、普通に混乱するでしょ。中の人もどんだけ無茶ブリだっていう……あれ、また話逸れてる?」

僕の内心の驚きなど知る由もなく話し続けていたその人は、呆れ顔で首を振ったところで我に返った。

「えーと、何の話だっけ……まぁいいや、兎に角、今日から此処が君の家。この部屋は好きに使っていいよ。狭くなってて悪いけど、本棚は置かせてね。クローゼットも半分は物置化しちゃってるけど、空いてるスペースはご自由に。布団もここね。フローリングに布団てのも微妙だけど、一応マットレスもあるから。あと必要なものとかあったら遠慮なく言って、邦人さんから必要経費は出る事になってるし」

返ったと思ったら、途端にテキパキと説明していく。視線で確認されて頷きはするものの、口を挟む隙はなかった。
よし、と彼女も頷いて、続いて家の中を案内される。

「リビングとキッチンとお風呂と……≪VOCALOID≫ってお風呂入るの? まぁいいや、このへんも遠慮しないで使っていいからね。もう一室あるのは私の部屋。一応仮にも女性の部屋なので、此処は勝手に入らないように」

「昼間は仕事あるからいないけど、自由にしててね。合鍵あげるから外出ても……っていつ落ちるかわかんない間は駄目か。まぁ一応鍵は渡しとくよ。電話とか鳴ってても無視して、留守電になるから」

「あと何かあるかな……訊きたい事は? ない?」

怒涛の説明が終わって訊かれ、ろくに考える事もできずコクコク頷いた。さっきからこればっかりだな。何だろう、勢いがある上にリズムがいいから、乗せられてしまう。

「ん、じゃあとりあえずこんなとk……いや待った、いっこ大事なのが抜けてるわ。ついてきて」

『大事なの』? 何だろう、部屋はみんな見せてもらったと思うけど。
ちょっと不思議に思いながら、僕は彼女の後に従った。



案内されたのはリビングだった。さっきはチラっと覗いただけだった部屋の奥、壁際のデスクに置かれたパソコンを示される。

「ウチにはパソコンて1台だけなんだよね。てわけでリビングに置いとくから、昼間とか使いたかったらどうぞ。歌う時もこれ使うからね」
「……歌う?」

何も考えずに首を傾げ、彼女の怪訝な顔を見て気が付いた。
そうか、≪VOCALOID≫なんだから、歌うのが普通なんだ。そういえば開発中も時々歌っていた気がする。あんまりいろんな機能の試験を繰り返してたから、特別な印象が残ってなかったけど。それに『博士』に引き取られてからは、思えば一度も……

「邦人さんが気にしてた、稼働時間が減るのは歌えないストレスもあるんじゃないかって。何とかしたかったらしいけど……昔っから音楽は苦手なんだよねぇ。成績表とかエントツ並んでたし」
「煙突? ですか?」

苦笑混じりに言われて、意味が掴めなくて訊き返す。
あれ、と一瞬不思議そうな顔をした彼女は、「そっか、」と小さく呟いた。

「流石に、こういう言い回しまでは知らないんだ。
子供の頃に学校で貰う成績表って、5段階とか10段階とかで評価がつくんだけどね。数字の『1』を煙突に見立ててそう言うの。形が似てるでしょ? 『2』だと『アヒルが泳いでる』とかね。あんまり成績が宜しくないのを揶揄する言い回し……かな?」
「あぁ……成程。それはライブラリにありませんでした」

説明を受けて納得した。≪VOCALOID≫は歌う関係上、比喩表現もある程度は理解できるように構築されてるはずだけど、これはデータに無かったな。煙突に、アヒルか。人間の発想って面白い。

それにしても、『歌』の事を気にしてたなんて知らなかった。そんなのよかったのに。僕自身、今の今まで忘れていたくらいなんだから。



一通りの説明を受け終えて外を見ると、もうすっかり夕暮れ時だった。
そろそろ夕食の支度をしないとね、と彼女がキッチンへ向かい、ふと気付いたように僕を振り返る。

「あ、そうだ。ご飯って普通に食べられるんだよね?」

――また意表をつく質問だ。まぁ機能としては付いてるけど……。

「可能ではありますけど、不経済ですよ。エネルギーは専用バッテリーに充電しないと持ちませんから……食料摂取でもまったく得られなくはないですけど」
「いや補給的な話じゃなくて、単純に……『食事』は嫌? 嫌い?」

内心呆気に取られながらも説明し、返ってきた言葉にまた驚かされる。『補給的な話じゃなくて』、だなんて。大抵の人間が、食事に単なるエネルギー補給だけでない意味を見出す、という事は、知識として知ってはいるけれど。

だけど困ったな。嫌かと訊かれても、そもそも『食事』なんてした事ないし。
迷う間に彼女はエプロンを着けて、僕の返答を待っている。

「……した事がないので……特に抵抗があるわけではありません」

仕方が無いので、正直に答えてみた。
その、一体何が琴線に触れたんだろう。良かった、と言うように、嬉しげな笑みが向けられる。

「それじゃあ、付き合って。自分しか食べないご飯を自分で作るのって面倒なんだー」

ね、と笑いかけられて、思わず頷いた。
……解らない。あんな答えの何がそんなに嬉しいんだろう? 変な人だ、やっぱり。
でも、どうしてだろう。何だか、もっと――

「あの、……何か。手伝います、僕も。料理も多少はできるように造られてますし」

気付いたら、キッチンへ彼女の後を追っていた。
そんな僕の申し出に彼女は、やっぱり嬉しそうに笑ってくれたんだ。



<the 1st mov-002:Closed / Next:the 1st mov-003>

【お知らせ】テキスト投稿が非常に使い辛いため、こちらでは歌詞や音源のUPとコラボ関係のみに縮小、以後の小説投稿はすぴばる&ピクシブへ移行します。

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