ボカロ小説「肖像フェティシズム」テーマソング
ゴムマニアの兄さんが
姉さんの肖像書いたなら
僕の姉さん ゴム人間
空気を入れたら破裂する
ヘイヨー、両親、マジ感謝
直接言えよバンドマン
それしかないのか? 言うことは
ファミリーマートに行ったなら
わたしのフィギュアがおいてある
ゲームセンターに行ったなら
わたしの音ゲーおいてある
それがわたしとでも思ったか
バカめ 金を出せ タイアップだ
バスマニアのボクだから
毎朝の通勤楽しみだ
しかも弟 バス人間
各駅停車で鈍行だ
ヘイヨー、両親、ありがとう
直接言えよロッカーさん
それでもロックか? あんたはさ
なんか暗めに歌ったら
みんなが勝手に涙する
ノリさえよければいいくせに
頭の良いふりご苦労さん
それが恋とでも思ったか
バカめ 金を出せ 小説だぞ
肖像のフェティシズム
偶像のサタニズム
没個性ポリリズム
偽悪的ナルシシズム
他人産ナショナリズム
お前は誰だ?
名前を言えるのか?
個性を言えるのか?
ボカロ小説「肖像フェティシズム」テーマソング
ふつうエンタメ作品と音楽の関係は作品に対するテーマソングと言う形ですが、ボカロ小説に限っては逆で、音楽ありきで小説を書いていたりしますね。
テーマソングは、作品(物語)があって、それを盛り上げるためのものですから、ボカロで「テーマソング」はなかなかないよな、メディアミックスしっぱなしのくせに本業やってない感じあるな、と思ってぼくが書きました。
「肖像フェティシズム」は、ぼくの頭にストーリーがありますが、そのテーマソングです。
ストーリーが意味不明に見えますが、そもそもテーマソングでストーリーを1から説明するわけないでしょう。そんなのはテーマソング失格です。
まぁ、たぶん主人公は初音ミクによく似た女の子だかなんだかなんです。嫌な性格してそうだな。
手法として真面目な解説をすると、映画や演劇の手法で、「観測点の所在を不明にする」というギミックがあります。主人公や登場人物が、たとえば「誰に対してモノを言っているのか」を不明瞭にすることで、観客自身の立ち位置・所在地を自覚させられる、という。メタ・物語的な錯覚をさせる、演出ですね。
今回は、一人称をいくつか使ったうえ、二人称「お前」を使うことで、そのギミックを利用しています。誰に対してのメッセージなのかを「あえて」わかりにくくしています。
というわけで、テキトーに見えてけっこう技工的に作りました。
ところでタイトル「肖像フェティシズム」はボカロっぽくてなかなか気に入ってます。
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