※注意
・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・名前の捏造っぽいところがあります(がくぽ→樂十とか)
・自己設定の、架空のものが出てきます(例えば、妖怪だとか)。
・樂十のキャラが定まって無いです^^;

以上のことが、OK!という方だけお読みください。







「浅き夢見し‥酔ひもせず‥か‥‥」

ふわりと吹いてきた木枯らしが、樂十の紫陽花色の髪を、そっと揺らした。

「‥風が出てきたな」

そう思い、樂十が、縁側から立ち上がった時、

「──樂十さんっ!!」

「‥あぁ、君か」

蒼空色の髪をした少年──海斗が、真に迫ったような瞳で樂十をじっと見つめている。

「何か用かい?海斗君」

ふっと愛想笑いをする樂十に、海斗は、いたって真面目な顔で、

「樂十さん、今、時間ありますか?」

出合った頃とは、似ても似つかないほど、気の座った目。それを見た樂十は、再び彼に微笑み返し、

「─いいよ。僕もちょうど暇だったんだ」

そう言い、自分の部屋に、海斗を上げた。海斗は、無言でその後についていく。

「‥樂十さん、僕──」

「──あぁ、分かってるから。言わなくてもいいよ」

「‥‥‥」

樂十の言葉で、海斗は言おうとした言葉を飲み込んだ。──海斗にとっては、すごく重要なことだったのだが‥‥。

部屋に着くと、樂十は、

「ちょっと待ってね。海斗君」

そう言って、押入れから、何やら古そうな木箱を取り出し、ふぅっと息を吹きかけて埃を払った。

「‥‥?これは‥‥?」

興味深そうに木箱を眺めながらそう言う海斗。それに対し、意味深な笑みを浮かべた樂十が、

「──紅刀探し、行くんだよね?」

そう言うと、洞窟内の地図が書かれた紙を箱から取り出した。

「はい、もちろんです」

そう言った海斗の瞳は、さきほどと同じように、真っ直ぐな意志を持っていることには変わりはなかったのだが──。

「海斗君──」

「なんですか、樂十さん」

「‥‥なんで君は‥そんな笑みを浮かべているのかな‥‥?」

そう、強い瞳をしながらも、海斗は、口元に、獲物を見つけた猫のような笑みを浮かべていたのだ。

「‥‥やっぱり‥分かっちゃいましたか」

「僕もそこまで鈍感じゃないよ(笑)。君の表情は、すぐに感情を映すからね」

そうは言いながらも、樂十は若干驚いていた。別に楽しめるようなことを頼んだつもりは全くなかったのだから‥‥。

「‥僕自身もよく分かんないのですが‥なんか、ワクワクするんです」

「‥ワクワク‥‥?」

「なんか居たらどうしようとか、危なくなったらどうしようとか、めーちゃんを悲しませたくないとか‥‥いろいろ考えてたら‥その‥‥」

──‥こういうのってなんて言ったらいいんだっけ‥‥?

そう思いながら、口ごもる海斗。

「頭が可笑しくなっちゃいそうだったんで‥考えるのをやめました」

海斗が、そんな突拍子もないことを言って、にこっと笑ったもんだから、樂十は、思わず拍子抜けしてしまった。

「‥は‥はぁ‥‥?」

「‥樂十さん、珍しく気の抜けた顔をしてますが‥‥」

「あ、いや、なんか‥意外な答えが返ってきたから‥まさかそう言うとは思わなくて‥‥(汗」

本当に珍しく、気の抜けた顔をしていた樂十。

──この少年‥前々から天然が入っていると分かってはいたが‥ここまで突拍子の無いことを言うとは‥‥。

すると、海斗は、くすくすと声を立てて笑い、

「僕ですね、考えとか想いとかで頭の中がぐちゃぐちゃになったら‥何も考えないことにしてるんです」

「‥ほぉ‥それで‥‥?」

──‥まだまだ奥が深い少年だ‥‥。

「で、頭の中真っ白になったら‥‥そのときに、僕ができる、最善のことをするんです」

「‥そう‥か‥‥」

「で、今できるのは、めーちゃんの笑顔を取り戻すこと!そうするには、まず、この事件を解決しないとっ!てさ!」

びしっと、樂十に対して、強気で言う海斗。

「‥じゃあ‥‥」

ふぅっとため息をついて落ち着いた樂十が、海斗に尋ね返した。

「‥洞窟に‥‥」

「──行きます。そして、必ず、紅刀をこの手に持ち、生きて戻って参ります」

樂十は、ふっと微笑んで、

「‥それが君らしいね‥‥」

そう言い、洞窟の地図を海斗に渡した。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番凩・16 act3 必ず生きて‥‥

久しぶりです!遅くなりました!

珍しく、大きな変化はありませんでしたが、後半、探り合いから解放された感じでした。

海斗君、その意気だ!←何

閲覧数:325

投稿日:2010/06/13 18:09:18

文字数:1,865文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は!、続き、拝読させていただきました!

    樂十の把握していた”海斗の深さ”はまだまだ浅かったようですね。樂十も勿論まだまだ奥に隠している物が多いですけど、海斗の奥もまだまだ有りそうですね。

    でも探り合いはとりあえず一段落し、これからですね!。

    次も楽しみです。ではでは~♪

    2010/06/13 18:27:09

    • 愛夢☆ソライト

      愛夢☆ソライト

      >enarinさん
      返信遅くなりました><すいません;;ご拝読ありがとうございます!

      そうですね?。ずっと探り合いもなんかな?と思っていたので、樂十の把握していない部分、というものを前面に押し出してみました^^

      最初の頃に比べたら、海斗も、十分成長しています。果たしてそれが、今回の結果につながるかどうか‥‥ですが^^;

      さて、いよいよ、洞窟へ出発!ガンバレ、海斗君!!

      2010/06/19 17:28:18

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