悲劇は……ついに起こってしまった。
「キャーッ!!!」
屋敷の中に若いメイドの叫び声が響いた。
「何、一体どうしたの!?」
最初に叫び声の元へ駆けつけたのはメイコだった。
若いメイドは途切れ途切れに声を出した。
「当主様が……カイト様が……」
メイドは部屋の中を指差した。
その部屋はカイトの部屋だった。
メイコは部屋の中を見た。
そして……
「誰がやった!!誰がやったのよ!一体……誰が……!」
怒り狂い、彼女は怒鳴り、もう息のないカイトの死体をメイコは揺さぶった。
「ねぇ、嘘でしょ……嘘だと言って!ねぇ……ねぇ……!
嫌だ……嘘よ……イヤアァァー!!」
涙と鼻水、涎で顔をぐしゃぐしゃにしながらメイコは泣き叫んだ。
「ママ落ち着いて!ママ!ママ!」
メイコの怒鳴り声を聞いて一目散に駆けつけたミクとカムイはメイコを落ち着かせ、自室へ連れて行った。
「これは……ヒドイ……ヒドすぎますわ……
首を掻き毟るだなんて……自殺なんて……」
ミクの後ろに居たルカは、カイトの死体を見て呟いた。
「いいえ、これは自殺ではありません」
「!」
ルカは声のした方を見た。
「おはようございます」
レントンは一礼した後、カイトの死体を見ながら言った。
「これはどうやら『毒入りのワイン』を飲まされたのでしょう」
レントンが指差した先には割れたワイングラスと、零れたワインがあった。
「まぁ!て事は……これは……」
「えぇ、自殺ではなく他殺……。
毒入りのワインを飲まされた後、苦しさに悶え、自分で自分の首を掻き毟ってしまったのでしょう……」
「……どうして、見ただけで分かるの?」
いつの間にか、ルカとレントンの後ろにリンが立っていた。
「うん。このワインは実際こんな変な色してないから。
もっと綺麗な色なんだけど、これ濁っている。
何か薬を入れたしか考えられない」
「……それだけなの?」
レントンはうんと頷いて笑った。
「それで名探偵?……聞いて呆れるわ」
リンは呆れたような声を出した
「本当にそれだけですの?」
ルカも聞いた。レントンは少し考えた後、
「あー。あのね、これはあくまで予想なんだけど。
普通自殺する時って、薬を入れてから飲むよね」
レントンはカイトのポケットを探りながら話を続けた。
「でさ、その薬を入れてた袋が何処にも見当たらないんだ。
床にも、服にも、ゴミ箱にも……どこにも。
これから自殺する人がわざわざ薬の袋を隠す必要なんて無いよね?
薬の袋を隠そうとするのは、大体は犯人位だ」
ほぉーとルカが感心したように呟いた。
「……最初からそれを言えばよかったのに。
なんだか不愉快な気持ち……私は部屋に戻らせていただきます」
そう言ってリンは部屋に戻って行った。
「あ、私もメイコさんの様子を見てきます」
ペコリとお辞儀をして、ルカも去っていった。
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-----------...ネバーランドから帰ったウェンディが気づいたこと【歌詞】
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