明くる日は 曇り空 傾いた蓮の葉一つ
出しかけた手を 鉛の水面(みなも)に引っ込める
こんなときでも 水草はたおやか
あなたの鼻緒の横で 見たかった
別れなど 飛んで行け シオカラトンボに掴まって
落ちる涙 池を曇らせるから
冷めた言葉が 胸を刻む 泣いてももがいても 消えないの
いたずらな 鯉につつかれて 蓮の葉ひとひら 沈んでいった
いつか晴れたら 会いに行こう 素敵なお茶請けを手土産に
今はまだ 息が苦しいの お願い その日が来るまで泣かせて
細波 揺れたまま
〔ひらがな〕
あくるひわ くもりぞら かたむいたはすのはひとつ
だしかけたてを なまりのみなもにひっこめる
こんなときでも みずくさわたおやか
あなたのはなおのよこで みたかった
わかれなど とんでいけ しおからとんぼにつかまって
おちるなみだ いけをくもらせるから
さめたことばが むねをきざむ ないてももがいても きえないの
いたずらな こいにつつかれて はすのはひとひら しずんでいった
いつかはれたら あいにいこう すてきなおちゃうけをてみやげに
いまわまだ いきがくるしいの おねがい そのひがくるまでなかせて
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