――少年少女、前を向け。




≪チルドレンレコード Ⅴ【自己解釈】≫





「……ねえ、キド?」
「なんだカノ。まだ俺は怒っていることを忘れているな?」
「キドはどうなの?」
「……どう、とは?」
「ほら、だからこのチームのことだよ。価値観が全員すれ違ってる人間だったわけじゃん。けれど、やることは、目的はたった一つだったわけで、このギスギスした感じもなく……言いたいこと、なんとなく解る?」
「悪くはないな」
 カノの質問にキドは即答する。
「よ、よっしゃ! だからメカクシ団を正式名称に」
「それは断る」
「えぇー……」
 キドはカノの提案を却下(さらにジャーマンスープレックスのおまけ付き)した。
「き、キドが成長して俺は嬉しいよ……」
「カノ、お前本気でうざいぞ?」
「そう真顔で言われるとちょっと崩れ落ちるかな……ハハ」
 カノはそう言って笑顔のまま、気絶した。


**

 モモは考えていた。
 自分が変われたのは、ここに来てからだ。
 チープな言葉だとしたって、手をとりあえば、それは『アイコトバ』に過ぎない。そう、言い合えるってことを。
 自分自身が――少しだけ前を向けることに。


**

 暑い中を走っていくうちに少年少女たちは思い出して、口に出す。
「……キドさん」
「なんだ、モモ」
「わたしたち……出会えたの偶然ですよね?」
「ああ、そうだな。カノがテキトーに連れてこなければ、お前はまだアイドルとして苦しんでいただろうな」
「私、ここにきてから、こんな突飛な世界のことを、『散々だ』って笑い飛ばせるようになったんです。ほんとうに、ここにこれて幸せでした!」
「……、」
 モモの言葉に、キドは何も答えない。
「……あの、キドさん?」
「モモ、お前の言いたいことは解った。……感謝の気持ちを伝えたいこともな。だが、それはもう少し取っておけ。俺はきっとそれに答える」
 そしてその言葉を最期に――合図が終わる。


**

 かたや、メカクシ団を結成し、全てから抗おうと決した少女。
 かたや、アイドルだった自分に散々だと思い、全てから逃げ出そうとした少女。
 かたや、母の愛を受け、そして外の素晴らしさを教えてくれた少年に恋した少女。
 かたや、八月の永遠のループから二人揃って脱出を決意する少年少女。

 最善策はその、目を見開いた先にある。
 感情性で創られたメビウスの先へ行き、自分たちの人生を狂わせた“やつら”に目に物見せてやるのだ。






おわり。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

チルドレンレコード Ⅴ【自己解釈】

終わりました。

本家:http://www.nicovideo.jp/watch/sm18406343

閲覧数:3,461

投稿日:2012/07/21 20:50:04

文字数:1,052文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 友愛@in不可

    友愛@in不可

    ご意見・ご感想

    この曲解釈できたんですね!!?
    めちゃくちゃスゴイです\(^o^)/

    私なりの解釈も頑張ります←

    2012/07/27 19:23:08

    • aurora

      aurora

      どうも、メッセージありがとうございます。
      是非、頑張ってください!

      2012/07/27 21:13:30

  • 雪りんご*イン率低下

    雪りんご*イン率低下

    ご意見・ご感想

    ホントカッコイイですよね、チルドレンレコード!
    そしてフォレス男→セト マフ子→アヤノと遂に全員──新キャラふたり除く──の名前公表!!
    でも、ウチプレミアムじゃないせいか動画があまりにも重すぎるから、だいたいYou Toubで見てるwwじんさんサーセン

    それにしてもauroraさんスゴイですよ!
    この曲解釈できちゃうんですもん!! ウチはムリですね、はい。

    2012/07/22 15:19:09

    • aurora

      aurora

      どうも。
      かっこいいですよね! もうずっとリピート再生してます!!
      す、すごいですかね……、ちょっと照れますw

      2012/07/22 15:35:28

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