――嘘をつくのは得意なんだ。

 ――でも、本音は少し苦手でさ

 ――可笑しいね、いつだって

 ――本当の咄が、一番嘘くさいんだよ。




≪夜咄ディゼイブ【自己解釈】 前編≫




 夜は少し好きだ。

 月の光が怪しく、街を照らすからね。

 たまには、愚痴りたいときだってあるんだよ。

 どういう話か、って?

 いいじゃないか、ジャンルは様々。ファンタジーからSF、ノンフィクションかフィクション。だけどね。

 今日は少しだけ、そうさ、少しだけ、馬鹿な自傷症状にはなっちゃうんだけれど、何にも収まらないから、ネタ話って事でどうかな?

 僕は平凡に見えるでしょう? メンバーにもそう言われるんだけど。ああ、そうさ。少しだけ、ほんの少しだけ、違うんだよ。僕の非凡でいて妙なところがあるんだ。まぁ、君がそれをどう取るか、なんだけど。

 それは……どうだったかな。ある日のことだ。

「……誰?」

 僕は親を目の前で失ってね……今でも忘れられないよ。

 そして、そいつは、『怪物』だったんだ。

 怪物は笑っていったんだよ。

『――嘘をつき続けろ』

 とね。

 そう言って、僕の心臓を飲み込んだ。

 それ以来僕は嘘つきになっちゃったのさ。どんなものでも騙せる。その気になれば総理大臣だって、どんな無垢で純粋な子供から、黒にまみれた闇の人間も、どんな存在だって僕は騙すことが出来る。

 ……そうだよ。『怪物』に成り下がったんだ。

 親を殺した、『怪物』に僕も成り下がってしまったんだよ。

「……あ、ごめん。泣かせちゃったね。泣かないで!











 勿論、これは全部法螺話なんだからさ」




つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜咄ディセイブ【自己解釈】 前編

ディセイブが正しいです。

書きました。かっこいいです。

本家:http://www.nicovideo.jp/watch/sm20116702

閲覧数:866

投稿日:2013/02/17 21:53:18

文字数:726文字

カテゴリ:小説

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