はじめて会ったのは全然ベタな展開じゃなくて、
ただ、ただ唐突な出会い会ったね。

私といると貴方は不幸になっちゃうから、
私は貴方から離れたけど、
貴方は私を引き止めてくれたね。

その日から貴方はずっと私を守ってくれたね。
『ありがとう』
私はあなたにずっと言いたかったけど、
ずっといたから何だか照れくさくて言えなかったの。

―――でもどうして?

どうして、貴方は消えちゃったの?
ねえ、ねえ。
「ねえ……」

白いベッドで静かに眠っている――
「ねえ? 目を覚ましてよ」
――貴方に私は、ただ泣くことしかできなかった。

***

―――数日前。
「ねえ、今日はどこへ行くの?」
私が尋ねたら、いつも『君の行きたい所で良いよ』
そればっかりだった。
でも、貴方は凄く苦しそうな顔をしていた。
あの時、私がちゃんと聞いていたら、貴方は
こうならずに済んだのかな?

『大丈夫』
貴方はそう言って、倒れたわよね。―――

***

「あの時、私どうしていいのかわからなかったの。
倒れている貴方を見てどうしていいか分からなかったの。
心臓の病気だったなんて知らなかったの
今は『ありがとう』より『ごめんなさい』と貴方に
伝えたいわ……。本当にごめんなさい……」

でも、私は貴方を笑顔で見送れない涙しか出てこないんだもの。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ごめんなさい

出会いを喜ぶより、貴方のことをちゃんと見ていればよかった。

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投稿日:2011/02/15 17:04:34

文字数:566文字

カテゴリ:小説

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