＃３５「改造とテト」



前回のあらすじ

グミさんを無事発見し、家に帰ってきた私たち

夕食を食べずに待っていてくれた一同に感動しながら、ルカさんが料理を温める

が……ルカさんの手には真っ黒な炭とかした料理が……




料理が一品、消失し、固まる一同


「ル、ルカ姉？……一体、どうしたらそうなるの？」


ミクさんが、そっとルカさんに話しかける


「う～ん？私は普通にしただけなんだけど？時間も３分だったし」


ルカさんがそういうので、私が電子レンジに近付いて設定を確認してみると……



【２５００W】



は？


「ええええええ？！」


思わず声を出してしまった私


「ど、どうしたのよ！」


メイコさんが驚いて、私の側によってきた

そして、メイコさんが電子レンジに書いてあるワット数を見て驚愕する


それもそのはず

普通の一般家庭の電子レンジは５００W～９００Wくらいが一般的

さらにお弁当を30秒でほかほかにするコンビニの超出力の電子レンジでも１５００Wくらいなのに、２５００Wって……



「……え……テトさん達は、これを普段から？」

「いえ！まさか！こんな出力がこんな安物に出せるわけないじゃないですか！」


この電子レンジは、５００Wしか出ない普通の電子レンジだったはず


「故障かしら？とにかく、炎上や爆発しなくてよかったわ」


メイコさんが、さらっと怖い事をいう



…………のちにわかったことだが、あの電子レンジはルコが改造したとのこと……

しるるが「お弁当作ってて、遅刻した～！電子レンジが早ければ、もっと楽なのに！」といったので、ちょいちょいといじったらしい……

おにぎりなら1秒、お弁当なら5秒という優れ物……というより、危険物になった電子レンジ

もちろん、発覚後、すぐに弁償させた……元凶のしるるに






とにかく、電子レンジが危険物なので、その時は料理を温めることを出来ず


「ごめんなさい……私、食べ物を粗末にしちゃって……」


ルカさんがひどく落ち込んでいる


「いや、ルカ殿のせいじゃないでござる！レンジの故障なんだから、仕方ないでござろう？」


がくぽさんの言葉に周りも頷く


「でも、普通、使う前に気づくよね？」


そこへ、唐突なグミさんの一言


「はい、グミ～。こっちに来なさい」

「あ……あ～……たすけて～」


ばたばたとしているグミさんが、メイコさんに引きずられて廊下に拉致された





私たちは、メイコさんが帰ってくるまで、鍋で温められるものを温めたり、減ったおかずを新しく作ったり、リリィさんを椅子にくくりつけたりして、準備万端で待っていた