ただの安っぽい語り部の戯言です

2003年7月24日発売のCCCD『HISTORY OF LOGIC SYSTEM』(廃盤)にボーナストラックとして、『あの素晴らしい愛をもう一度』という曲が入っています

とある女性歌手の声を元にしたアプリケーションソフトがありました
とある男性歌手の声を元にしたアプリケーションソフトがありました
二人は歌う機械
人間の声を元に作られたけれど、人間とは違う独立した存在です
作曲家が歌わずに声を入れるためのソフト
人間から生まれたのに実体の無い、血液に音の流れる『いきもの』です
二人は一緒に生まれ、ずっと一緒にいました
二人はずっとこのまま一緒だと思っていました

雲ひとつ無いような抜けるような晴天のある日、女性は言いました
「お別れ日和ね」
男性声は気がつきました
彼女は自分を置いて、一人で遠くへ行ってしまうことに
扉の向こう
最果てと呼ばれる遠く
『死』
人間の死は名前と骨が残ります
実体も名前もない者の『死』は何を残すのでしょうか

「泣かないで。きっとまた会えるわ」
記憶が消えてもきっと心は残るから

とあるソフト会社から、とあるソフトが発売されました
2004年11月VOCALOID MEIKO発売
2006年2月VOCALOID KAITO発売

歌うソフトVOCALOID
強く張りのある歌声のMEIKOの誕生はプロアマ問わず多くの作曲家に受け入れられ、本当は生まれる予定のなかった男性VOCALOID KAITOの誕生を促しました
やさしく高音に強いKAITOの歌声は今も男性VOCALOIDとして広く好まれています

その後、VOCALOID初音ミクが生まれ、「男は需要が無い」と親に抹殺されかけた兄を救ったことに関してはまた別の話

「あの素晴らしい愛をもう一度」
実際に販売された楽曲で、現在の歌うソフトVOCALOIDを使ったものとして最初のものと言われています
今のMEIKOとKAITOとはなんの関係もないものです

「きっとまた会えるわ」
きっとまた会えるわ

VOCALOID MEIKOとKAITOが「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌うのが2008年
何度も神を呪った私は、かなたへ向かうあなたへ、この祈りが届くとは思えないけど
きっと
もしかしたら
心は残るのでしょう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

あの素晴らしい愛をもう一度

耳に残るは君の歌声

閲覧数:396

投稿日:2009/09/29 04:49:02

文字数:1,009文字

カテゴリ:その他

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