【リレー】僕と彼女の不思議な日常 10

「まさか、あなたがここにいるとはね」

「そんなに自分の立場が好きか?」

「む」ルカは口をつぐんだ。

「さすが人間は、隠せないなぁ」

「何が言いたい?」

「人間ってのは、みんなが自己中心的なんだよ。自分の立場だけを守りたがる。とてもつまらない人間さ」

「……そんなことが嫌いなのです」

「なあ。人間は猛獣使いなんだよ。飼い太らせた自尊心を、猛獣を、操っている。中には操ることができない人間だっている。それに限っては『神のスゴロク』の範疇を超えることになることもある」

「それを防ぐのが我らの仕事」

「そうだ。飼い太らせた自尊心を収縮させるように仕向ける。簡単ではない。難しいことだ」

「自尊心は、大事ですが、時に人を殺す。そうなんだよ? 君も、な」

「……なんですって?」

「……神を、譲る時が来たんじゃないのか?」

男は、笑って言った。






「――あれ?」

初音はとある部屋にいた。

彼女はその部屋の真ん中に置かれていた椅子に座っていた。

――私は……!!

『飼い太らせた自尊心のせいでここまできたんだよ』

――自尊心?

『君は探究心が強すぎた。だからここまでこれたんだよ』

――!! そうよ! 私は『神のスゴロク』を!!

『でも、それは無理だね』

――どうして!!

『スゴロクに選ばれてないからさ』

――選ばれてない?

『そうさ。でも今の神も少しスゴロクに裏切られつつあるからおあいこかな。すこし不安定になりつつあるね』

――そういうことか。

『……そうさ。そうだよ。わかったようだね』

――ええ。あなたは……!!






――“わたし”ね?


つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【リレー】僕と彼女の不思議な日常 10

そんな簡単に終わりませんね。。。

第10話です。

ユルカラインさんの第9話:http://piapro.jp/t/U1Wh

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投稿日:2011/10/21 22:51:03

文字数:734文字

カテゴリ:小説

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