何処から尾けて来たのか、ルイを気付かれない様に温室の外へと引き摺り出した。
「ぷはっ…!はぁ…ちょっと殺す気?!」
「静かに、気付かれるだろ。」
ここで騒がれるのは正直非常にまずい。気付かれたらどうなる事やら。だけど何処まで知ってるんだ?場合によっては誤魔化せるかな…。
「さっきの事なら別に言わないわよ…浬音ちゃんだって怒られるかも知れないし…。」
「まぁ、喋ったら馬に蹴られると思えば。」
少し呆れた様な顔でこっちを見てから、気になるのか温室に視線を戻した。そう言えばさっきも矢鱈落ち着きが無かったし、ああ言う場面に慣れてないのだろうか?まぁ、慣れていてもいきなり目の前でイチャ付かれたら大概焦るか…。
「それにしても意外だわ、貴方がこう言う事に協力するなんて。」
「こう言う事って?」
「んー…何て言うか…他人の事に興味無さそうだもの。」
「それは否定しないけど。」
「何で引き受けたの?浬音ちゃんが頼んだの?」
「いや、ウサギの方…彼女を連れ出して欲しいってね。」
「へーぇ…。」
「アリエッタの生写真くれるって言うんで快く承諾…。」
「ちょ…私の感動を返して。」
焦ったり感動したり怒ったり忙しいな。しかし、口ぶりからするに本当に何も気付いて無さそうだな…。ルイには悪いがこのまま煙に巻こう。
「でも、あんな浬音ちゃん見たら手伝いたくなるのも判るかも…何かすっごい
可愛かった。女の子~って感じで。」
「あれ、女の子じゃないの?新音ルイさん。」
「私はそう言うのガラじゃないわよ、背も高いし、可愛いのとか似合わないし…。」
溜息と共にルイは少し言葉に詰まっていた。もしかして…身長がコンプレックス?そんなベタな属性…。いや、でもパートナー選びでも背がどうこう言ってたっけな…。
「可愛いと思うけど?」
「はぁっ?!」
「帽子屋、結構良い仕事してるんじゃない?肌とか髪ツヤツヤだし、姿勢も良く
なったし、可愛いと思うよ?」
「お…お世辞は要らないわよっ!」
「声デカイって!」
「…もう帰る…心配しなくても喋らないから…。」
「おやすみ。」
「…おやすみなさい…。」
暗闇の中立ち去ったルイを見届けると心底深い安堵の溜息を吐いた。ああ、寿命が縮むかと思った…。
「わっるい奴~。」
「―――っ!!闇から湧いて出ないで下さい…。」
「あはははは、呼んでるよ。」
「…判りました。すぐ行きます。」
「2人は温室?大丈夫放置して?」
「まぁ、多分平気でしょう…。」
温室でどうこう出来たら個人的にウサギが尊敬に値する。
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――A.多分今がそうだと思います。
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