【男声・女声】序(7+5×6行)
かつて世界の中心に     かつてせかいのちゅうしんに 
常夜の森に囲まれて     とこよのもりにかこまれて
天にも届く塔を抱き     てんにもとどくとうをだき
栄華極めし王国を      えいがきわめしおうこくを
汝は知るや来し方の     なんじはしるやこしかたの
語るものなき物語      かたるものなきものがたり



【男声】(以下、8+5×4行)
蒼天貫くその塔は       そうてんつらぬくそのとうは
栄華を支える御柱で      えいがをささえるみはしらで
住まうは気高き天藍を     すまうはけだかきてんらんを
纏える賢き守り人       まとえるかしこきまもりびと

【女声】
栄光満ちたるかの塔の     えいこうみちたるかのとうの
光も届かぬ涯ての森      ひかりもとどかぬはてのもり
緑の眼も呪わしい       みどりのまなこものろわしい
災う魔物の棲むという     わざわうまもののすむという

【男声】
日夜と賢者に届くのは     にちやとけんじゃにとどくのは
富貴を望める人の声      ふうきをのぞめるひとのこえ
空虚な祈りに満ちた日に    くうきょないのりにみちたひに
突然嵐が飛び込んだ      とつぜんあらしがとびこんだ

【女声】
魔物を恐れる人々が      まものをおそれるひとびとが
ある時森へと火を放ち     あるときもりへとひをはなち
僅かな憩いの隠れ家を     わずかないこいのかくれがを
追われた魔物は傷だらけ    おわれたまものはきずだらけ

【男声】
恐怖と怒りが握らせた     きょうふといかりがにぎらせた
刃の向こうの緑色       やいばのむこうのみどりいろ
賢者は疲れた客人に      けんじゃはつかれたまろうどに
薬と寝床を差し出した     くすりとねどこをさしだした

【女声】
誰もが私を嫌うのに      だれもがわたしをきらうのに
あなたは私を追わないの    あなたはわたしをおわないの
驚く魔物にその人は      おどろくまものにそのひとは
哀しく瞳を翳らせて      かなしくひとみをかげらせて

【男声】
この身の纏うが空ならば    このみのまとうがそらならば
あなたは大地の芽吹く色    あなたはだいちのめぶくいろ
常人ならぬは同じこと     つねひとならぬはおなじこと
何ほど違いがあるだろう    なにほどちがいがあるだろう

【女声】
乱れた鬣結い分けて      みだれたたてがみゆいわけて
血と泥拭えば白い肌      ちとどろぬぐえばしろいはだ
緑の瞳も愛らしき       みどりのひとみもあいらしき
娘は賢者に微笑んだ      むすめはけんじゃにほほえんだ

【男声】
娘の小さな手を引いて     むすめのちいさなてをひいて
賢者が導く塔の地下      けんじゃがみちびくとうのちか
誰もが忘れた路がある     だれもがわすれたみちがある
ここから遠くへ逃げなさい   ここからとおくへにげなさい

【女声】
冷たい孤独な塔の上      つめたいこどくなとうのうえ
あなたは囚われ人のよう    あなたはとらわれびとのよう
どうしてここから逃げないの  どうしてここからにげないの
娘は賢者へ問い掛けた     むすめはけんじゃにといかけた

【男声】
己の宿命を知るがゆえ     おのれのさだめをしるがゆえ
賢者は娘に応えした      けんじゃはむすめにいらえした
柱は動かぬものなれば     はしらはうごかぬものなれば
まだ見ぬ迎えを待つばかり   まだみぬむかえをまつばかり

【女声】
さよなら優しいラプンツェル  さよならやさしいらぷんつぇる
必ず迎えは来るでしょう    かならずむかえはくるでしょう
立ち去る娘を見送って     たちさるむすめをみおくって
賢者は静かに呟いた      けんじゃはしずかにつぶやいた

【男声】
柱は動かぬものなれば     はしらはうごかぬものなれば
倒れるその日を待つばかり   たおれるそのひをまつばかり
天より迎えの来る日まで    てんよりむかえのくるひまで
私の生命が終わるまで     わたしのいのちがおわるまで

【女声】
月日は流れて或る年の     つきひはながれてあるとしの
病に倒れた国の王       やまいにたおれたくにのおう
彼の世を支えた御柱も     かのよをささえたみはしらも
役目を退く時が来た      やくめをしりぞくときがきた

【男声】
王墓の隣へ侍るべく      おうぼのとなりへはべるべく
棺の迎えを待ちながら     ひつぎのむかえをまちながら
最後に一目と面影を      さいごにひとめとおもかげを
願える賢者のその前に     ねがえるけんじゃのそのまえに
再び嵐は飛び込んだ      ふたたびあらしはとびこんだ

【女声】
緑の結い髪靡かせた      みどりのゆいがみなびかせた
娘は賢者に手を伸べて     むすめはけんじゃにてをのべて
私は来ましたお迎えに     わたしはきましたおむかえに
攫いにきましたラプンツェル  さらいにきましたらぷんつぇる

【男声】
心に焦がれた微笑みに     こころにこがれたほほえみに
賢者は宿命に目を閉じて    けんじゃはさだめにめをとじて
王国災う色を持つ       おうこくわざわういろをもつ
娘をその手に抱きしめた    むすめをそのてにだきしめた

【男声・女声】
その時轟く雷鳴が       そのときとどろくらいめいが
天から塔へと降り注ぎ     てんからとうへとふりそそぎ
炎と瓦礫は国を埋め      ほのおとがれきはくにをうめ
全てを一夜に消し去った    すべてをひとよにけしさった



【男声・女声】結(7+5×6行)
かつて世界の中心に    かつてせかいのちゅうしんに
栄華極めし王国は     えいがきわめしおうこくは 
常夜の森に飲み込まれ   とこよのもりにのみこまれ
恋人たちの行く末も    こいびとたちのゆくすえも
汝は知らずや来し方の   なんじはしらずやこしかたの
語るものなき物語     かたるものなきものがたり


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

【曲募集歌詞】 ラプンツェル 【(むしろご自由にお使いください)カイミク・ファンタジー】

だだ漏れの煩悩と共に年を越しました。あけましておめでとうございます。
カイミクでファンタジーを書いてみました、イメージは男女逆転ラプンツェルです。何故、兄さんはこんなにもヘタレが似合うのか。←

これは古風な伝承歌もしくは即興歌のイメージです。
同じメロディーで男女がどんどん掛け合いを重ねていく、シンプルで原始的な歌のイメージで書いてみました。
曲構成は至って単純で、最初と最後にくる7+5×6行のブロック、それからメインの8+5×4行のブロックの二つがあれば歌えます。ぶっちゃけ、その気になれば「もしもし亀よ~」でも歌えます。
もしくは即興らしく、段ごとに節回しを変えていっても面白いと思います。


結構、弄りやすいと思うので、宜しければフリーダムにいろんな節回しで遊んでやってくださいませ~。
(ただし曲にするには長すぎました。もう小説のプロットに近いぐらい^^;;)

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閲覧数:675

投稿日:2009/07/01 18:39:05

文字数:2,618文字

カテゴリ:歌詞

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