優しい傷跡-魔法の音楽時計- 第05話「彼女の悲劇」

投稿日:2009/01/24 22:04:53 | 文字数:1,436文字 | 閲覧数:737 | カテゴリ:小説

ライセンス:

【登場人物】
増田雪子
帯人
灰猫
鏡音リン
鏡音レン

【コメント】
早くストーリーを進めなければッ!(>_<;

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TEXT
 

ハァ、ハァ、ハァ。

涙がとまらなかった。
怖くて足が震えた。でも、とにかく前へ。
足を止めたら、駄目だと思った。死んでしまうのは確かだ。

ほんと。…どうしてこうなっちゃったんだろう。


それは数分前。
私と帯人そして灰猫が、鏡音リンと対峙したときのことだった。
血だらけのハクちゃんとネルちゃんを紹介したとき――

あのとき、
あの二人はまだ息があったんだ。

ネルちゃんは、最後の力をふりしぼって叫んだ。
校舎中に響き渡るよな大声で、

「逃げてぇええええッ!!!!」

苦しそうな声で。

そこからの展開は早かった。
生きていることに気づいたリンは、迷うことなく
ネルにむけて包丁をおろした。そして、ハクにも―
鈍い音をたてて、二人は呆気なく亡くなってしまった。
私の目の前で。
そして、次は貴女よと言わんばかりにリンは笑った。
私は恐怖のあまり、来た方へ逃げ出してしまった。
駆け出すときに見えたのは、包丁をむけて笑うリンと、それに立ち向かおう
とする灰猫さん。そして、私を守ろうとして前に出た帯人の後ろ姿だった。

私は突き当たりまで走って、階段を駆け下りた。
でも二階から下へむかう階段は崩れてしまって降りれなかった。
しかたなく向かい側の階段まで走って、
そして今、こうして泣いている。

ハァ、ハァ、ハァ。

もう息をするのだって苦しかった。
でも泣き声だけは不思議と出た。
目の前にあるのは、階段じゃなかった。
崩れ落ちた壁と瓦礫。ここも、同じように壊れていた。

どっちにしろ逃げ場はないんだ。

「それなら、みんなと―」

みんなと、戦っておけばよかった。
…ごめん。弱虫でごめんね…。
悔しくて涙が止まらなかった。

ごめんね。
     ごめん。
         ほんとに、ごめん。

後悔の念が私を追いつめて、首を絞めているようだった。



そのとき、

♪~♪♪~♪~~♪♪♪~♪♪~♪~~♪~♪♪~~

不思議な音色が――

「どうして……」

その音は、手前の教室から聞こえる。
私はなにかに操られるように、そっとその扉に触れた。

その扉だけ、感触が違った。

「…ぁ」

開けると、そこは病室だった。
清潔感あふれる真っ白な病室に、一人の少年が座ってる。
そして純白のベッドには一人の少女が眠っていた。
私は恐る恐る病室に入った。

♪~♪♪~♪~~♪♪♪~♪♪~♪~~♪~♪♪~~

「     」

少年は少女になにか話しかけている。
しかし、少女の返答はない。
私は二人に近づいた。

「ぁ…!」

思わず息をのんだ。
ベッドに寝ていたのは、鏡音リン本人だったのだ。
点滴に繋がれて、白雪姫のように安らかな笑みを浮かべて眠っている。
その傍らにつきそう少年は、おそらく「鏡音レン」だ。
双子の弟である彼は、毎日姉のいる病室に通っていたそうだから。

たぶん、これが彼女の《悲劇》なんだ。
一年前から目覚めない、彼女の――

♪~♪♪~♪~~♪♪♪~♪♪~♪~~♪~♪♪~~

曲は絶えず奏でられていた。
その音の元は、鏡音レンの手元だった。
彼はギュッとあの懐中時計を握っている。
そこからこの悲しげな曲が流れているんだ。

彼が口を開く。
声は聞こえないけれど、彼はこういったんだと思う。
「ねえ、きれいなきょくだろう?」って。
その目はとても優しくて悲しい色をしていた。

なぜかそれが、灰猫の笑顔と重なって見えた。

【お休み中】

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「優しい傷跡」は三部作ですが、三部の途中で書けなくなりました。
続きは書けませんが、そこまでのお話は残しておくつもりです。
二次創作やら派生やらは、一言いただければ基本okです。
これからは何となく書いた歌詞を載っけていくつもりです。
よろしくお願いします。

帯人・がくぽ・ミクオ・欲音ルコが大好きです。

下から飛べますよ♪

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優しい傷跡
http://piapro.jp/content/7q5hqtkfhff7gpll

優しい傷跡 番外編
http://piapro.jp/content/prenayotf2qetyrj

優しい傷跡-魔法の音楽時計-
http://piapro.jp/content/p6xkwgja3thb4jvs

優しい傷跡-君のために僕がいる- (中断)
http://piapro.jp/content/3itb7ja54w5dp7y1

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