とある日の午前１０時…
ＭＡＲＴの主要メンバーであるいつもの６人が、とあるツインドリルの人物に呼び出されました。


その前日に届いた手紙にはこう書かれてあったのです。「何気ない日常を、笑いの絶えない時間に変える企画！ＭＡＲＴのメンバーの皆さん、嫌でもご参加下さいねっ！」と。


疑いを感じる事も無く東京駅へと向かった６人に、長き地獄が訪れようとしていました………




カイト「…って何でテトがこんな所にいるんだよ！？」


テト「まああれだよ。ボカロハーツ始まって以来、未だに回想と名前しか登場が無かったからね。だからこの番外編に出させて貰ったんだよ。」


カイト「そうじゃなくてだな…ＭＡＲＴの俺達の前に重音テトがいたら色々マズいんだって！」


テト「君は実に馬鹿だな。これは番外編だ、つまりパラレルワールドなんだ。とにかく今は細かい事は関係ねぇ！」


カイト「…無理矢理な話だな。」


リン「おはようレン君！」


レン「おはようリンちゃん！」


ルナ「お早い到着ですわね、総長。」


モモ「あぁ…あつぃ……」


メイコ「ふう…今日は一段と日差しがきついわね。」


テト「お、役者が揃ったようだね。」


メイコ「テトさん、手紙にはああやって書いてあったけど、こんなところに私達を集めて一体何をするの？」


テト「よくぞ聞いてくれました。とりあえず今から行う私達の企画に参加してくれるＭＡＲＴの６人に感謝します。これから皆さんには色々楽しんで頂こうと言う訳で。」


カイト「丁度ＭＡＲＴのメンバーに羽を伸ばす機会を作りたかったんだ。こちらこそ感謝するよ。」


テト「それは良かった。それではこれから皆さんには私の案内で普段のＭＡＲＴでのお仕事ではできない、まったりとした東京観光を満喫して頂きます。行く先々には¨痛いぐらい¨笑いの絶えない楽しいイベントをご用意してます！」


リン「楽しいイベントだって！わーい、楽しみ！」


レン「それはツアーみたいな感じなんですか？」


テト「そういう事です。美味しいご飯や楽しいアクティビティもたくさん用意してますよ！」


ルナ「随分太っ腹じゃないですの。何か裏があるんじゃなくて？」


テト「御名答～♪それでこの観光の際には１つだけ大事なルールがあります。よく聞いて下さいね。」


モモ「それは？」


テト「何があっても¨絶対に笑ってはいけない¨と言う事です。」


メイコ「えぇ！？」


ルナ「それは辛いですわ…」


カイト「それで、もし笑ってしまったら何かあるのか？」


テト「はい。万が一笑ってしまったら即その場で厳しい罰が執行されます！フフッ…ｗ」


カイト「お前が笑ってどうするんだよ！」


リン「絶対に笑っちゃダメなんだよね…？」


レン「嫌だなぁ…」


テト「とにかく笑わなければ夢のような１日です！早速ですがもう時間が無いので移動を開始しますよ。この東京駅の改札口を通った時点で観光旅行が始まります。皆さん心の準備は大丈夫ですね？」


カイト「みんな聞いたな？何があるか分からないが、とにかく絶対に笑ってはいけないそうだ。もう出発するが良いか？」


リン「はーい！」


レン「はい！」


モモ「準備万端ですっ！」


ルナ「問題無いですわ。」


メイコ「いつでもＯＫよ！」


テト「ではＭＡＲＴ東京観光スタート！！」


カイト「さあ行くか！」


テト「…ん？はい、もしもし？」


モモ「それじゃあ、私一番に行きますね！」


ルナ「次は私が行きますわ。」


テト「…え！？駅のトイレに私のフランスパンが散乱してる！？」


カイト「…え？」


テト「…モモ、何でだと思う？どうして私のフランスパンが公衆トイレにばらまいてあるんだろうか？嫌がらせ？」


モモ「プッｗｗ」


ルナ「フ…ｗ」



＼デデーン／


¨モモ、アウト！¨



モモ「…え？何！？いやちょ…何するんですか！？」


デフォ子「許せ、モモ……お尻にピストル！！」


モモ「アッー！？」


テト「…とまあ、こんな感じに笑ってしもうたら¨ハイパーUTAUお仕置き隊¨から痛い罰を受けてもらう事になるから気をつけてや。」


カイト「なんで関西弁なんだよｗ」


メイコ「こんな意味不明なネタでも、笑ったらアウトなのね…」


モモ「どう…し…て……」



※ルナとカイトについてはまだ改札口を通っていないのでセーフです



モモ「…そんなのアリですか！？」




そしてテトとＭＡＲＴの一行は駅のホームにやってきた。




テト「こっからは電車で移動や。お前らみたいなもんの為に、リリィさんが電車の一客車を貸切にしてくれはったんや。」


カイト「すげぇな…！」


テト「それじゃあ、バカイト、ダメイコ、ピーチ、イケレン君、魔女っ子リンちゃん乗ってくれるか？」


全員「！？」


メイコ「何その呼び名…？」


ルナ「…いや私は！？」


テト「お前？誰や？」


カイト「フフッｗｗ」




＼デデーン／


¨カイト、アウト！¨




カイト「こ…こんなつまらない所で…！」


リン「うわぁ！何あれ！」


レン「デカいアイスだなぁ…」


カイト「…お前はカイコ！？」


カイコ「喰らいなさいバカイトォ！！」


カイト「や、やめ…！！」



¨ベチャッ！¨



モモ「顔面にアイスなんて…気持ち良さそうです！」


ルナ「私のせいですわ…申し訳ありません……」


カイト「お…お前は何も悪くないさ……ん？このアイスうめぇ！」


メイコ「と、取り敢えずそのアイスだらけの顔を洗ってきたら！？」


カイト「え？ああ、そうしよう…」


メイコ（やめてカイト…笑いそうになったじゃない…ｗ）


テト「ほなら、早速行こうか。時間もないしな。」


カイト「なあテト…カイコってUTAUじゃないのに何でお仕置き隊にいるんだ？」


テト「知らん！」


カイト「ちょｗ」



＼デデーン／



カイト「あ……」




そして一行は貸し切りになった列車に乗車し、次なる目的地へと向かう。全員には束の間の安息が訪れる。


だが刺客達はそんな事はお構いなしに６人を襲う……




カイト「電車に乗ったのは良いが、いつまた笑いの波が来るか心配だ…」


リン「カイトさん、次はどこに行くんですか？」


カイト「ん？次はだな…」



¨ピンポーン パンポーン¨



メイコ「何かしら？」


ミク「皆様、ご乗車ありがとうございます～♪当列車は普通各駅停車となっております。次は新宿、新宿です。降り間違えのございませんよう、十分お気をつけ下さい☆」


レン「ミク姉ちゃん！？」


ミク「さて本日は皆さんの一番だ～いすきな、あの有名なVOCALOID曲を車内で放送させて頂こうと思います！興奮するコト間違い無しです！」


全員「おお！！」


カイト（カンタレラか？）


レン（悪ノ召使かな？）


リン（炉心融解だといいな！）


モモ（勿論ワールドイズマインだね！）


ルナ（私のルナティック・ミュージックに決まってますわ！）


メイコ（何だか…嫌な予感がするわ…）


ミク「高音質でどうぞ、¨くるみ☆ぽんちお¨！」



カイト「やめろお前ｗ」


レン「え？」


リン「えっ？」


ルナ「ふざけてますわ…ｗ」


モモ「やめてぇｗｗ」


メイコ「まさか…」



＼デデーン／


¨カイト、ルナ、モモ、メイコ、アウト！¨



モモ「いや、あんなのダメですって…もう……アッー！？」


カイト「またアイスを顔面にか…ごふっ！」


ルナ「な、何をするんですの！？」


天音モノ「すまないルナ…僕もお仕置き隊の一員なんだ。」


ルナ「モノ！？」


モノ「…必殺¨ウサギじゃらし¨！」


ルナ「やめなさ…あぁん！そこはダメぇ！！」


メイコ「さあ…私には何が来るのかしら？」



¨………¨



メイコ「…ん？何も来ないじゃない？」


モモ「あ…あ……」


カイト「うぷっ…今度はイチゴ味か……」


ルナ「いやっ！あんっ！！」


メイコ（…もしかして私だけセーフ！？）



¨You Got Mail！¨



メイコ「…メールかしら？」



・メイコ様
１０時４９分より、貴方様の預金口座から合計金額・１,０００円が笑ってしまったペナルティとして、アカイト様に自動譲渡されました。ご確認の程を宜しくお願い致します。



メイコ「…そんなのアリ！？」


リン「みんなどうして笑ってしまったの？」


レン「分からないや…」


テト「君達は実に純粋やなぁ…」



スタートから早１時間、一行は次なる目的地、新宿にたどり着いた。しかし早くも不穏な空気。
そして降りた新宿駅で６人を待っていたのは…



テト「さあ新宿に着いたで！」


カイト「いつもと変わらない景色だ…」


レン「あれ？あそこにいるのは…？」



そこにはミキ、ピコ、ソラの３人に説教をしているユフ達ボカロ刑事がいた。



雪歌ユフ「ちょっと皆さん…どうしてこんな大事な時に遅刻したんですか……ミキさん？」


ミキ「昨日の夜更かしの所為で寝坊しちゃったものですから☆」


ユフ「そうですか…それは仕方無いですね。」


モモ（…フフｗ）


ユフ「ピコ君は…？」


ピコ「深夜にニコ動見て何が悪い！」


ユフ「私も…同感です。」


メイコ（いやいやｗ）


ユフ「ソラ君は…？」


ソラ「姉さんが風邪引いてて夜中ずっと看病してたものですから…寝られなくて…」


ユフ「バカヤローッ！！」


ソラ「ぐはっ！？」



ユフ刑事、渾身のストレートパンチ。



カイト「何やってんだユフｗｗ」


モモ「ユ、ユフちゃんｗｗｗ」


ルナ「フ……」


ユフ「あとカレー臭いよお前！」


ソラ「だって…俺はカレーが主食ですから…！」


ユフ「カレーよりシチューだろコノヤロー！！あと臭い！」


ルナ「フッフッフッ…ｗ」


ソラ「ユフさん…すみませんでした、許して下さ……」


ユフ「バカヤローッ！！」


ソラ「ぐほっ！！」


ユフ「カレー臭い！」


メイコ「理不尽過ぎるｗｗｗ」


レン「ユフ姉ちゃんｗ」


リン「臭い臭い言いすぎですｗ」



＼デデーン／


¨全員、アウト！¨



カイト「…うぷっ！か、辛っ！わさびアイスかこれは…目が！目がっ！！」


モモ「お…お尻が……」


ルナ「また…！イヤンッ！！」


メイコ「あ…今度は２０００円無くなってる…」


リン「リンはどんな罰を受けるのかな…？」


レン「怖いなぁ…」


テト「大丈夫、君達の罰は私の役目なんや。」


リン「え？テトさんが？」


テト「ほんなら２人とも目をつぶってくれるか？」


レン「は、はい…！」


テト「はい、私からのキス…」


レン「えっ！？」


リン「うそーっ！」



¨チュッ¨



レン「あっ……」


テト「はい、リンちゃんにも！」



¨チュッ¨



リン「テトさん、大胆っ…！」


テト「あ…ファーストキスだってのは内緒だお！絶対にね！」


カイト「うわ…三十路BBAの初キスか…！」


テト「誰が三十路BBAじゃ～！」


ルナ「…これはもう観光じゃなくて罰ゲームですわね…」


ユフ「…はぁ、ソラ君しっかりして下さいね。現場集合の時間厳守は刑事の基本なんですから。」


ミキ「…ユフさん！ソラ君が鼻血を出しながら気を失っています！」


ユフ「はい…？」


ピコ「誰か、誰か救急車呼んでくれ！」


ユフ「やだ…！ソラ君しっかりして…！」


ソラ「ユフさん…ナイスな蹴り…でしたよ……ガクッ……」




まだまだ終わる気配を見せないＭＡＲＴ観光旅行の戦い。全員が「テトに乗せられた…！」と思った時には後のお祭りでした。


カイト、リン、レン、ルナ、メイコ、そしてモモの運命のケツ末はいかに…！？


次回があるか分かんないけど、更なる刺客がＭＡＲＴに襲い掛かる…かも。