むかーしむかし、でもないけれど
名前が無い『自分』が居た

名前の変わりに付けられたのは『赤ずきん』
童話の中の少女
同じ名前




「赤ずきん、ちょっといい?」




ある日のこと
世間でいう‘母’という人がボクに声をかけた
ボクにとっては、この人は‘母’ではない




「おばあちゃん、体調を崩してしまってねぇ…お見舞いに行ってきてもらえる?」




そんなもの、自分で行けばいいのに…
仕方ないから行ってあげることにした


ボクは、この人とは血は繋がっていない
ボクは本当の両親を知らない

童話での赤ずきん
それは、どこにでもいる、夢見る子供たち

赤ずきんは、この時どんな気持ちだったのだろう
やはり夢を見ていたのだろうか



ボクはこのセカイが大嫌いだ

夢、未来、幸福、明日、純愛、絆、友情、希望、真実、正義

なんてくだらないんだろう


現実見てみろよ
そんなものもあるだろうけど、だいたいは違う

悪夢、過去、不幸、昨日、不倫、裏切り、絶望、嘘、悪
そんなものばっかりだ

心に傷を負ってる奴も居るんだよ
だってボクがそうなんだから


あれ
なんの話してたっけ
まぁいいか
どうせ たいしたことじゃないし


あぁそうだった

童話の中の赤ずきん
ボクも赤ずきんだ

でも、ボクは彼女とは違う
違うように生きて
違うように行動するから




「赤ずきん、何してるの早く行きなさい」



めんどくさいやつだなぁ
仕方ないなぁ
行ってくるよ


どうしてボクは‘赤ずきん’なのだろう
赤いずきんが好きだからというわけではないし

そもそもボクの名前ってなんだろう
名前というやつで呼んで貰ったことないや

つけてもらったこともないし




ボクは今まで、名前も両親の顔も、何も知らずに生きてきた
ただ知っていたのは、『赤ずきんの話』と『セカイの裏側』
結局、すべてが偽りなんだ
そうだろう?


え、そうじゃない?
だったらボクに教えてよ
『セカイとは何か』を


言ってることがわからないのならば言い換えよう

今のボクは、本当の親を知らない
名前も知らない
自分のことも、よくわかっていない
味方というのもいない
親戚もいない

うーん…そうだなぁ
一人ぼっち?
非リア?
疎外感?
孤独?

――孤独。
そう、孤独なんだ。


そして、この感情は…
寒い…
暗い…
悲しい…
怒り…
あきれる…
さびしい

そう、寂しい


すべてが偽りじゃないのならば、誰か教えてよ
ボクの、『孤独ノ寂シサ』を
取り除く方法を


ボクの願い
それは
誰でもいい
ボクの味方に、友達になってほしい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【鏡音リン】赤ずきんと狼サン 2【original】

第二話。
名前はまだ無い。

閲覧数:542

投稿日:2013/04/02 18:50:24

文字数:1,112文字

カテゴリ:小説

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  • 雪葉

    雪葉

    ご意見・ご感想

    母「リミナ」父「レン((私「父さんこの子はリンだから」
    という意見が出ました((
    私からの意見は純粋にリンでいいと思います。
    私が友達になってあげる!だから今次元の壁超えるね!((おい

    2011/11/15 23:05:21

    • ゆるりー

      ゆるりー

      さりげないレンに若干吹いてしまいましたwww

      では「リン」ということで…でも「リミナ」も捨てがたい((
      あえてレンではないですww
      レン君は他に出番あるのでw

      次元の壁超えて、会ってあげてくださ((

      メッセありがとうございました。

      2011/11/16 17:30:22

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