その日はとても寝苦しかった。
辛い日々、言いたいことを言えずに歯を食いしばる日々。
迷ってばかりで何も進まない。
そして前向きに生きることができない・・・。

不意にほろりと頬に涙が伝った。

その瞬間だった。

何かが弾けて、色とりどりの世界が目の前にあった。

そこには元気一杯の少女がいた。
歩き方から見ても彼女はとても前向きに見える。

楽しそうにステップを踏みながら向かっているのは学校なのだろうか。

その足取りに迷いなどない。

その時、心に誰かが話しかけてきた。

「迷っていたってさ、しょうがないじゃん?」

私に話しかけているのは誰?誰なの?

「人生なんて、楽しいことしたもん勝ちでしょう?」

私は不思議と受け入れるように目の前の景色を見ていた。
・・・まるで彼女の心の世界を旅しているみたい。

そして彼女の生き様を見ているようだ。

どんな事に挑戦するにも、脇目を振らずに出たとこ勝負する。

すごい、こんな生き方・・・私にはできない!!

「あなたにも出来るはずよ?」

ねぇ、教えてよ!!どうすれば私はそんな風に生きられるの?



その時だった。



目の前の彼女は膝に手をついて息を吐いた。

「私にだって、限界はあるんだから」

そうなんだ・・・。そうなのか・・・。



今が、夢なのか、それとも現実なのか分からない。
それほど私はこの即効性の旅に夢中だった。



そこから映る景色は彼女の苦悩だった。

それは彼女の過去なのかそれとも現実なのか分からない。

ふわりふわりと、そしてフラフラりと甘えて、あーやっちゃったという失敗を重ねていく日々。
でも毎日懲りないなぁ、と自分を責めながらも挑戦し続けている。

現実逃避の世界。

それでも、そこから脱出しようと頑張っている彼女。

私はじわっと涙が出る。
私はまだ彼女ほど悩んだりしていない。

その時、私を起こす声が聞こえた。

寝たふり、耳を塞ぐ。

そして「あー、聞こえない!!」っと言い聞かせて、彼女をまだ見続ける。

だって、また起きれば現実じゃん。
そんなの頑張るだけ損じゃん!!なんとなく察しちゃうじゃん!!生まれてき時にさ、配られていた手札が弱かったら終わりだって、先なんて知れてるって、覆せやしないって!!!

急に体がフリーになった気がする。手元にはエレキギター。

「あ゛ー!もう!ギター!」

ジャカジャカかき鳴らす。コードも何もかも考えずにひたすらかき鳴らす。

彼女の姿が見えなくなる、というより同調してしまったといったほうが正しいだろう。

・・・・・・わかってるんだ言い訳だって。手札なんて自分次第なんだって。
「いつまでユメに逃げてるんでしょう?そろそろおはようの時間だろう?」

あれは私自身だったんだね、ありがとう。

私は、ちゃんと私の中に前向きな生き方をする考え方が居たんだ。
でも、その彼女を私自身が封じ込めていたんだ。

そして、ユメで教えてくれたんだ。

気がつくと、画面の沢山ある部屋にいた。
ユメのハイライトの様な画面が部屋を埋めている。

私、頑張るから!!

画面の中で彼女がウインクしたような気がした。



ふと目覚めると、外はすっかり朝だった。

「よし、今日も精一杯生きよう」

そう言いながら背伸びをした。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

セツナトリップ~ある日の夜の物語~

RastNoteさんのセツナトリップを自己解釈したものです。

久しぶりの単発物です。
やっぱり、僕の書く二次創作や自己解釈はどこかズレてる・・・(´・ω・`)

そして、本文が短すぎる。

閲覧数:8,565

投稿日:2012/06/22 11:17:42

文字数:1,389文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • Seagle0402

    Seagle0402

    ご意見・ご感想

    歌詞がところどころに散りばめられてて、わくわくしながら読ませていただきました!
    ブクマします!

    2012/08/25 10:39:07

    • 駄駿(Dashun)

      駄駿(Dashun)

      ありがとうございます!!
      こんな駄文でもワクワクしていただけるとは・・・嬉しい限りです。

      2012/08/25 18:51:16

オススメ作品

クリップボードにコピーしました