【人柱アリス Ⅰ】



一番目アリスは勇ましく
剣を片手に 不思議の国

***
 あるところに、メイコという少女が居りました。

「さあ!どんどんかかってらっしゃい!」

 その少女は、村で右に出るものは無いと言われるほど強く、村の誰よりも強さを求めておりました。
 しかし、そんな強さが災いして、村の者達は彼女を避けるようになり、彼女に戦いを挑むものもなくなりました。

「こんなんじゃ、つまらないわ」

 そう思いながら、彼女は刺激のない退屈な日々を過ごしておりました。


 そんな、ある日のことです。


 月のない夜に、彼女を訪ねて来る者がありました。

「こんばんは」

 黒い外套をまとったその人物は、月明かりがなくて道に迷ってしまったから、少し休ませてくれないか。と言いました。
 刺激のない日々にうんざりしていた彼女は、これはいい退屈しのぎになる、と、ひとつ条件を出しました。

「明日、私と戦ってくれるのならいいわ。この村じゃ、私に適うものは居なくなってしまったの。」

彼女が言うと、その人物はニヤリと笑い

「ならば、好きなだけ戦い続けられる場所へ連れて行きましょう。」

 そう言って、彼女の頬を一撫でしました。
 すると、辺りの景色が一変し、暗い森の中に佇んでいました。何が起きたのか分からないでいると、黒い外套を羽織ったその人物が再び現れ言いました。


ようこそ、一番目のアリス。
さあ、この剣を取って!


 彼女は瞳を輝かせ、差し出された剣を取りました。
剣を取った瞬間から次々と現れた相手に切っ先を向け、間合いをつめ、切りかかっていきます。
 彼女は更に多くの相手を求めて森の奥へと進んでいきます。
 彼女が進む度に散る血は道になり、彼女の行き先を知らせます。

「こんなにたくさんの相手と戦えるなんて、夢のようだわ!」

 その日から、彼女の姿を見たものはありません。
 森に出来た道だけが、
 彼女の行き先を知らせます。







君は、アリスじゃなかった。



つづく

ライセンス

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人柱アリス Ⅰ

歪P様の「人柱アリス」を小説にしてみました。
世界観を崩さぬようにと頑張りました!

Ⅰ:歌詞の1番をイメージ

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閲覧数:301

投稿日:2011/04/28 00:34:26

文字数:861文字

カテゴリ:小説

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