外の世界から守られた鉄壁の箱庭、天高くそびえたつ鉄塔、
風はなく人工の空が輝く。
何百年も続いた戦争により、太陽は遮られ、森は燃え、
空は粉塵にまみれ、草木が生えない灰色の大地。
人は住めない地になった。
この箱庭だけを残して。ずっとずっと昔の話だ。

 俺の名前はK。
このEDENで生まれた。

 「・・・K、聞いているの? K!」
呼ばれた先を見ると、困り顔のユイ先生。
かわいい顔をしているが怒ると怖い。
まぁ、そんな事はどうでもよくって、既に授業は始まっていた。
「はい、今読んだ所の続き」
読んでと合図をする。
ちらっと横の席のカガリを見るが、何かに没頭していて小さな声で
呼んでも一向にこっちを向かない。
前のメグルは意図して完全無視だ。覚えてやがれ。
「すいません、聞いてませんでした。どこからですか?」
本を手に、へへと笑うと、はぁ、とため息をつき、
「もういいわ、次、メグル」
とさっさと切り替えてしまった。メグルは流暢な英語で読み出した。

ラッキー助かったと席につくと、カガリがニヤニヤしている。
「ったく笑ってないで教えろよな」と呟くと、「本、数学数学」
とキシシと笑った。
「出来た、見ろ、生涯最高傑作だ」と、自慢げに見せるのは
消しゴムで掘った翼竜だ。
「へーかっこいいじゃん」
「でしょでしょ」
「つかお前そんなんやってたのかよ、くだらねえ」
「えー褒めたし」
「次は麒麟掘って俺にくれ」
「みずたまの?」
「はぁ、みずたまってなんだよ?」
「首の、長い、黄色の、水玉、」身振り手振りで
みずたまのそれを表現する。
「のキリン」
「違うわ、そのキリンじゃねえ、中国かなにかのあれだよ、
妖怪とか妖精とかなんとかみたいなやつ」
「なにそれ知らない」
「じゃあおしえてや・・・」
「ケーイー」仁王立ちのユイ先生。やさしく微笑んでる。
かわいい黒い笑みが怖い、です。
「OK、K、カガリ、私の授業聞く気ないなら廊下に立ってなさい。」
優しい声色だが、有無を言わさない声だ。
俺は肩を落とし、カガリはキシシと笑った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

EDEN

キャラクター

K
・KAITOをイメージ、生徒、17歳
メグ
・GUMIをイメージ、生徒、17歳
メグル
・ルカをイメージ、18歳
G
・がくっぽいどをイメージ、17歳
ユイ
・ゆかりをイメージ、先生、32歳
リー
・りおんをイメージ、先生、30歳
ルー
・CULをイメージ、生徒、19歳
ラズリ
・ラピスをイメージ、生徒、16歳
アイ
・IAをイメージ、生徒、20歳
ツネ
・ミクをイメージ、生徒、15歳
カガリ
・リンをイメージ、生徒、15歳
ミネ
・レンをイメージ、生徒、16歳
ユーリ
・Lilyをイメージ、生徒。20歳
リュウ
・ガッチャッポイドをイメージ、生徒、16歳
ネル
・ピコをイメージ、生徒
ニカ
・SONIKAをイメージ、生徒
リバー
・OLIVARをイメージ、生徒
ヴァン
・AVANNAをイメージ、生徒
キノ
・mikiをイメージ、生徒
コムラ
・いろはをイメージ、生徒
コーリ
・キヨテルをイメージ、先生
スイート
・ANNをイメージ、先生
LA.(エルエー)
・ALをイメージ、先生
ララ
・CLARAをイメージ、先生
ウェム
・Mewをイメージ、先生
ニーオ
・TONIOをイメージ、先生
ウタ
・ユキをイメージ
コイエ
・MEIKOをイメージ
ルーノ
・BRUNOをイメージ
マリー
・PRIMAをイメージ

閲覧数:178

投稿日:2013/07/09 22:42:29

文字数:871文字

カテゴリ:小説

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