あるところに、小さな夢がありました。だれが見たのかわからない、それは小さな夢でした。
小さな夢は思いました。
夢 :このまま消えていくのはいやだ。
どうすれば、人に僕を見てもらえるだろう。
小さな夢は考えて考えて、そしてついに
夢 :人間を自分の中に迷い込ませて、せかいを作らせればいいんだ!
と思いつきました。
これは5人のアリスと夢のお話
一番目アリス
彼女はとても勇ましく悪が嫌いでした。
彼女の夢は兵士となり悪を滅ぼすことでした。
夢 :君は何を望むのかな?
メイコ:私はね、悪を滅ぼす『力』が欲しいわ。
夢 :そうか。では、コレを。
メイコ:まぁ素敵。コレで私は正義の兵士になれるわ!
森へ歩いていく彼女に向かって夢は
夢 :では、気をつけていってらっしゃい。
と静かに言いました。
彼女は手に入れた『力』で次々と悪を滅ぼしていきました。
しかし、ある日を境に彼女は何が悪で何が正義か判らなくなり、自分に意見する者たちを容赦なく切り捨てるようになりました。
そして、真っ赤な道ができました。
そんな彼女を森の奥深くで待っていたのは、檻のような荊でした。
彼女がいつものように獲物を追いかけていると
ブス、グサササ、グチャ
メイコ;いったぁぁ、ん?
誤って檻のような荊の森に入り込んでいました。
メイコ:何で私がこんなところに閉じ込められなきゃいけないのよぉぉぉ!
私は悪いことなんて何もしてないわ!
ねぇ、ここから出して?ねぇ、お願い出して!
出して、出して、出してぇぇぇぇえぇぇぇえええぇえぇぇ!
夢 :彼女はアリスに相応しくなかったみたいだ。残念、残念。
彼女は人々を切り捨てていた。
だから罪びとも同然、檻に入れられても仕方がないさ。
と楽しげに言いました。
彼女の生を知りたいのなら森の小道を辿ってごらん。
二番目アリス
彼はとてもおとなしく歌を唄うことが好きでした。
彼の夢は世界に色々な歌をあふれさせることでした。
夢 :君は何を望むのかな?
カイト:僕は、『歌の才能』が欲しいです
夢 :そうか。では、コレを。
カイト:素敵だ。コレなら世界にたくさんの歌を届けることがでる!
真っ赤な道へ歩いていく彼に向かって夢は
夢 :では、気をつけていってらっしゃい。
と静かに言いました。
彼は手に入れた『歌の才能』で沢山の歌を生み、歌いました。
しかし、ある日を境に彼は狂った歌を人々に聴かせるようになりました。
そして、狂った世界ができました。
そんな彼を待っていたのは、白いバラの木と銃声でした。
彼がいつものように休憩をしながら作詞をしているといきなり胸に激しい痛みを感じました。
カイト:え?
下を向くと自分の左胸から赤い血が流れていました。
カイト:僕の胸に穴が・・・。
何で?いや、まだ死にたくない・・・。
夢 :彼はアリスに相応しくなかったみたいだ。残念、残念。
彼は人々に狂った歌を聴かせていた。
だから、イカレた野郎に撃ち殺されることもあるさ。
と楽しげに言いました。
狂った歌が聴きたいのなら真っ赤なバラが1輪咲いてるバラの木を愛でてごらん。
三番目アリス
彼女は幼く、おとぎ話が好きでした。
彼女の夢はお姫様になって人々から愛されることでした。
夢 :君は何を望むのかな?
ミ ク:私は『綺麗な姿』になりたいの。
夢 :そうか。では、コレを。
ミ ク:素敵!コレならお姫様になれることができるかも!
狂った世界へ歩いていく彼女に向かって夢は
夢 :では、気をつけていってらっしゃい。
と静かに言いました。
彼女は手に入れた『綺麗な姿』で沢山の人に愛されるようになりました。
しかし、ある日を境に彼女は人々を惑わし、とうとう女王様になることになりました。
そして、おかしな国ができました。
そんな彼女を待っていたのは、老いる恐怖と奪われる恐怖でした。
ミ ク:私は綺麗、私は綺麗ぃ、私は綺麗よぉ!
・・・
ミ ク:誰?女王の座を取りに来たのね!?
隠れてないで出てらっしゃい!
・・・
ミ ク:あははははは!私に降参したのね!この国の一番はやっぱり私よ!私なんだからぁぁ!
夢 :彼女はアリスに相応しくなかったみたいだ。残念、残念。
時間は誰にも止められない、彼女は人々を惑わし、仮初めの地位に着いた。
老いる恐怖と誰かに奪われる恐怖には勝てないさ。
と楽しげに言いました。
国の頂点に君臨している綺麗なお姫様を見たいのなら一人脅える少女を探してごらん。
四番目アリス
二人は双子でいつも一緒にいました。
二人の夢は何時までも一緒にいることでした。
森の小道を辿ったり。
バラの木の下でお茶会。
ある日届いたハートのトランプはお城からの招待状。
二人は好奇心でいろんな扉を潜り抜けてついさっきやってきた。
夢 :君たちは何を望むのかな?
レ ン:リンがいれば他には何にもいらない。
夢 :え?
リ ン:レンがいれば何だって怖くないし、何だってできるもの。
夢 :こんなことは初めてだ。
何か、何かあるだろう!
とリンに迫リました。
リ ン:やめてっ!
レ ン:どうしよう。リンが・・・。
辺りを見回すと剣が落ちていました。
レ ン:アレだ。
剣を拾い、
レ ン:えぃっ!
剣で夢を刺しました。
そして夢は倒れました。
レ ン:怖かったね。
リ ン:そうね。
レ ン:でも、リンが無事で良かった。
リ ン:ココはとても面白そうだわ。ねぇ、レンもう少し探検していかない?
レ ン:そうだね。いいと思うよ。リン。
二 人:二人一緒なら幸せなんだ(もの)[から]。
他には何も望まない(わ)[よ]。
たとえこのまま覚めなくても平気だ(わ)[よ]。
夢 :二人はアリスに近かったけど、まさかこのボクを殺すなんて・・・
歩いていく彼女たちに向かって夢は
夢 :では、気をつけていってらっしゃい。
と静かに言いました。
二人に会いたければ夢を探してごらん。
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