A
始まらないし 終わんない
誰も知る由もない 劇場で
前触れもなく 映り込む
タイトルも意味もない 白昼夢

シアター0の 真ん中に
誰かが置いていった トイカメラ
中に残った フィルムから
誰かの笑い声が 聞こえてる

B
とうの昔に 濁った心が
凍えた両手で 耳を塞いだ

S
右腕で抱(だ)いて 踊らせて
取れ高はないから 帰ってくれ
孤独と繋いだ その指は
赤い糸一つも 纏わないさ

崇高な愛は 齧らせて
飽きるほど甘くて 胸焼けして
触れられやしない 聖域で
傷一つ つけずに 目を閉じてく


A
知りたくないし 見たくない
流行りも興味もない クソ映画
重めの瞼 ぼやかして
傾けて脱力の 休題を

シアター0は お静かに
ノイズも光さえも 届かない
時々何か 映り込む
思い出したくもない 梅雨の味

B
夕暮れもない 夜明けも見えない
時間も痛みも 感じられずに

S
失った役を なぞらせて
再演はないから 消えてくれよ
亡霊はそっと 囁いて
隠してた呪いを 呼び覚ました

歪(ひず)んでく幕を 切り取って
都合の良いように 許してくれ
望んですらない ぬくもりを
拒絶した両手に 跡が残る


S
右腕で抱(だ)いて 踊らせて
取れ高はないから 帰ってくれ
孤独と繋いだ その指は
赤い糸一つも 纏わないさ

エンドロールで 終わらせて
期待した画(え)なんか 撮れないなら
シアター0にて ただ一人
手放した微熱を 握っている

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

シアター0

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誰もたどり着けない劇場で、ひとり

閲覧数:108

投稿日:2023/08/13 22:18:23

文字数:628文字

カテゴリ:歌詞

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